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【超短編歴史】関ヶ原の男たち3-吉川広家編-

 天下分け目の関ヶ原……

 その時男たちは……!


 テンパる石田三成。

 死にたがる島津義弘。

 働かない吉川広家。

 無駄に大活躍の宇喜多秀家。

 切れっきれの大谷吉継。


 こんな歴史小説見たことない!

 きっかわひろいえの日記


 九月十五日


 天気 濃霧のち晴れ


 今日はまちにまったハイキング、ぼくはおいっこのもうりひでもと君と、うんこ坊主のえけい君と一緒にせきがはらにいきました。

 ちょうどせきがはらではてんかわけめのたたかいがあっていて、ぼくが「せっかくだから見学していきましょう」というとひでもと君も「それはいいですね」といったので、みはらしのよさそうななんぐーさんにばしょをとりました。


 ほんとうはまつおやまがよかったけど、そこはすでにこばやかわ君がばしょをとってたのでむりでした。ぼくはこばやかわ君はいいなぁと思いました。

 それにあさのうちはすごくきりがすごくてたぬきさんのお尻くらいしか見えませんでした。すごくかなしかったです。でもきりはあさのうちだけだったからよかったです。


 なんぱつかてっぽんがパーンパーンってなってたたかいがはじまったけど全然まえのほうはみえなかったです。でもたぬきおじさんのぐんは全然うごいてなかったからたぬきおじさんのほうがかってるのかなぁって思いました。たぬきおじさんはたぬきなのにかっててすごいなぁって思いました。


 たたかいが始まったからぼくとひでもと君でおべんとうを食べ始めました。とってもおいしいおべんとうで、ぼくもひでもと君もすごくおいしいねといってぱくぱく食べていました。

 べんとうを食べ終わるとひでもと君は「ぼくもたたかいたい!」っていいだしました。


「ぼくもたたかうぞぉひろいえー」

「べんとうのおかわりがありますよ」

「わーい、たべるー」


 ってかんじでした。しばらくしたらちかくでべんとうをたべてたバカあほ坊主のえけい君がやってきて、


「ちょっともうりー、まじめにたたかってよー」


 っていいだしましたので


「きょうはせいりなのでけんがくです」


 っていったらなっとくして帰ってくれましたのでぼくは「にどとくるなくそ坊主」っておもいました。

 しばらくしたらこんどは長宗我部君と長束君がやってきて、ひでもと君に


「ねぇーもーりはいつ動くのぉー?」


 ってきいてくるとひでもと君が


「うーん、今べんとう食べてるー。あっ、長宗我部君も食べるー?」


 っていっておいかえしたからぼくは「ひでもと君ナイス!」っておもいました。

 


 さて、たのしいひとときはまたたくまにおわってしまって、べんとうはぜんぶからっぽになってしまいました。せきがはらのたたかいはやっぱりたぬきぐん、もといとーぐんが勝っておわっちゃいました。さいごのさいごにまつお山にハイキングにきていた小早川君がせーぐんにとつげきくらわせてせーぐんの石田君のぐんぜいがにげだしてました。





 十月二日


 天気 快晴


 このひぼくはたぬき家康君によびだしをくらってしまいました。なんと


 「もーり君はせーぐんとしてせきがはらにいってますね」っていって毛利家を改易するというんです。

 なのでぼくがいっしょうけんめい「そんなぁ、そのひはせいりでたたかいにはさんかしてませんよぉ」ってせつめいしたらたぬきさんはわかってくれたみたいで毛利家はリストラのききはまぬがれました。


 でもまえはちゅーごく地方ぜんぶしはいしてたのに二カ国だけになってしまいました。


「くそぉぉ、いまにみてろぉ。にひゃくろくじゅうねんごにさつまと同盟してたぬきなんかたおしてやんだから!」




 っておもったりもして。

 「毛利は天下を望まず」

 戦国時代きっての謀将、毛利元就は息子輝元にこのような遺言を残してこの世を去っています。

 しかし、歴史を振り返ってみると、天下を狙わないどころか天下分け目の合戦に積極的に参加し、西軍の総大将にまで持ち上げられた毛利、さらに吉川そして小早川。おそらく元就も草葉の陰で苦笑いをしたことでしょう。


 このあと毛利家には歴史的にもっとも苦しい江戸時代が始まるわけです。がまさしく文字通り臥薪嘗胆、たきぎに這いつくばり肝をなめるような日々を乗り越え、そして後に高杉晋作、吉田松陰、桂小五郎、有村益次郎などなどの傑物を生み出すことになる毛利藩。

 その二百六十年とは彼らにとってどのような月日だったのでしょうか。

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