君と歩く坂道の
君と歩く坂道の先に、まあるいお月様があって、
なんだか絵本みたいだね、と言ったら
君は笑ってくれました。
このまま歩いていったら、お月様に着いちゃうね、
と君が言ったので、僕も笑いました。
坂道のてっぺんまで来たら、
お月様は向こうの街の灯りの上まで逃げてしまいました。
お月様までたどり着けなかったね、と君が残念そうに言ったので、
でも、ここからみるお月様も絵本みたいだよ、と僕はなぐさめました。
今度は君と坂道じゃない道を歩きます。
また君と坂道を行くとき、
また同じようにお月様がでていたら、
また僕たちは同じような会話をするでしょう。
僕はそういう事がたまらなく愛しく感じます。