プロローグ
アデライード視点です。
「アデライード様、またエテルナージュお嬢様が体調を崩してしまわれました」
夫であるアルブレヒト様と執務の休憩がてら一緒にお茶会をしていると、エテルナージュの側仕えからリフェッレという通信用の魔術具が送られてきました。
「……エテルナージュは本当に虚弱だな」
「えぇ、本当に心配ですわね。エテルナージュの場合はそういう体質ですから治療ができませんもの」
姪のエテルナージュは虚弱で、頻繁に寝込みます。ニ年前に家族を亡くしたエテルナージュを引き取ってから今までの思い出の半数はエテルナージュの看病を占めています。
エテルナージュはお異母姉様のお腹の中で突然身体の発達が止まりました。その上、お異母姉様の体調が思わしくなかった時期の出産だったので出産直後はお異母姉様もエテルナージュもとても状態が悪かったのです。その二つの不運が相まってエテルナージュは虚弱になってしまった、と亡きお異母姉様が生前仰っていました。
「だが、あのように虚弱であれば洗礼の儀終えてからが大変だぞ」
「洗礼の儀まで後二年もあるのですから、そのことを考えるのはまた後にしましょう」
七歳になれば洗礼の儀を行い、貴族の一員として認められます。女性は男性より格下だという風潮があることが心配です。更に虚弱だと他の貴族から舐められるのではないでしょうか。
エテルナージュに関してはまだまだ心配なことがありますがそのことについては頭の隅に追いやり、今わたくしたちの頭痛の種になっていることについて考えることにしました。




