表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

孤児院春馬ー1ー

数百年前に建国された、六つの国。

その内の一つ、火の国:あかつき


火の国の女神ヒカリは、人との間に子をつくり、以来、王族には半分、女神ヒカリの血が、流れている。


暁の王族は、産まれた時から、火の魔術を行使こうしすることができた。


更に数百年過ぎて、現在。


火の国、暁の王都:朱華しゅか


国が管轄する、孤児院こじいん 春馬はるまから、物語は幕を開ける。


国から資金を受けて、運営する春馬には、

生後間もない赤子から、成人を迎えるまでの子供が、男女合わせて、数十名以上、暮らしていた。


成人、18歳になると、春馬を出て、自立しないといけない、規則がある。

ただし、当面の生活費は、国から、支給される。


更に住まいも就職先も、用意されている。

かなり手厚い、国からのサポートがある。


春馬の子供達は、定期的に身体検査、成人後も、秘密裏に身辺調査を受け、国に、報告する義務があった。


それはこの孤児院が、特別な場所だからだ。


王都の者はもちろん、王族や貴族、上流階級しか知り得ない、とびっきりの秘密が、孤児院 春馬に、隠されていた。

それは相当に、スキャンダラスな事だ。


決して、露呈ろていしてはならない。


胡散臭うさんくささと常に監視下に置かれた、牢獄の様な、とても窮屈場所で、

少女は今日も、可憐にため息をついた。


今年、16歳になった少女は、食堂で朝食を食べて、いつもの日課で、図書館に向かった。


ここは広々とした孤児院だ。


一つ一つの建物は大きく、ログハウスの様に、敷地内にいくつも、点在てんざいしている。


殆どが平屋で、屋根も壁の色も白。

看板が個々にあるから、食堂、職員室、孤児院等と、表記で分かる。


一応、渡り廊下で繋がってはいるから、靴を、履き替える必要は無い。


何度も言うが、無駄に広いだけだ。


ただし、子供達や職員が泊まる寮は、別途あり、そこだけは、3階建てだ。屋根の色は水色。


中庭もあるし、小鳥も飼われ、番犬もいる。

中庭側の広大な池には、錦鯉も養われている。


げんなりする。


そう。簡単には逃げられない。


ここは捕まっていないだけの、刑務所と、変わらないじゃないか。


なんてなげいてみてからも、

少女が、中庭前の渡り廊下を抜けて、図書館に入った。


ちなみにここには、銭湯や遊技場、売店もある。

寮に大浴場があるが、それとは別だ。

職員だけで無く、警備員の希望で、過去に、造って貰ったらしい。サウナつきだ。


孤児院 春馬の南門と北門には、宿直の門番がおり、要するに、24時間、警備は万全なのだ。


無理も無い。

 

ここにはお忍びで、上流階級の方々が、

やってくるのだから。


孤児院 春馬で、ひそやかに育てる、

訳ありの『我が子』の様子を見る為に。


王族もしかりだ。


無論、少女の様に、まったく身寄りの無い子供達もいる。

例に漏れず、少女も訳ありだ。


「朝から晩まで、監視ばっかりで、いい加減、疲れるよね~」


図書館の窓際に座ると、少女が、だるそうに椅子に腰掛けた。


「ま、何かあったら、困るからだろうね。

ある意味で、国の重要人物も数名、在籍してる訳だから。ぶっちゃけ、実は、『跡継ぎ』とかね。ヒリヒリした感じがするよね、春日はるひ れん


同意を求められても困ると、蓮が、そっぽを向いている。


「どの口が言うんだか! 貴方も元々は、名門貴族の出でしょ。早瀬はやせ アリス。たくっ。愚問だわ」


あきれ顔の蓮に、真向かいのアリスが、

にっこり笑って見せた。

あくまで口角が上がっただけ、だ。


アリスは『いい性格』をしている。

不穏な方で。


けれど確かに、このピリっとした空気。


熱風を肌で感じる様な、暑さ。

火事にも似た、不吉さが、

孤児院 春馬に、ただよっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ