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ダンジョン・ストリーマー ~ヤンキーオタク、伝説の底から這い上がる~  作者: 沼口ちるの


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第5話:ギャルとヤンキーの「残念な」連携プレイ

門田龍人は、ミノタウロス ミニの二連撃目に対応するため、ブレードを捨てて両手を角に伸ばした。


「うおおおお!いくぜ!『次元渡りの旋風脚ディメンション・サイクロン』!」


龍人は、ミノタウロスの角を掴むと、そのまま全身の体重を乗せて大きく回転し、小さな魔物を地面に叩きつけた。それは、柔道の大外刈りと、プロレスのジャイアントスイングを組み合わせたような、派手だが酷く非効率な技だった。


ドスッという鈍い音と共に、ミノタウロス ミニは地面に沈黙した。


龍人は、息切れしながらも勝利のポーズをとる。


「どうだ!これが俺の『ロマン』だ!」


Precision_Kaito なんという無駄なスタミナ消費。戦闘時間が長すぎる。


Mon_MikoファンA すごい プロレス技だ


ヤンキーファンB ヤンキー オタク プロレスラーにジョブチェンジかよ


AyamiHime 龍人 無茶しないで!カッコよかったけど!


龍人の配信は、妹 命のスパチャと、その後の非効率な攻略法の連発で、一気に認知度を上げていた。視聴者数は8,000人に達し、コメント欄は怒涛の勢いで流れている。


その時、龍人の背後から、明るく響く声が聞こえた。


「龍人、アタシも来たよ!配信中に邪魔してゴメンね」


振り向くと、そこには、ギャルの幼馴染、姫宮彩美が立っていた。彼女は、ダンジョン内でも崩れない完璧なメイクと、動きやすいように改造された制服姿。手には、小型の金属バットのようなものを持っている。


龍人は目を丸くした。


「彩美!?テメェ、なんでここにいるんだよ!危険だぞ!」


「危険だからこそよ。あんた一人じゃ、いつか本当に壁ドンされて死ぬでしょ」


彩美は、自分の配信画面を龍人に見せる。


アカウント名 AyamiHime_Healer


配信タイトル 残念なイケメンヤンキーを献身的に支えるギャルのアタシ


登録者数 300人 視聴者数 500人


「えっ、お前も配信してんのか!?」


「当たり前でしょうが。あんたが伝説になるなら、アタシは伝説の勇者を支える賢者になるんだから。アタシは回復アイテムの調達と、あんたのツッコミ役で参戦するわ」


「ツッコミ役だと!?」


彩美は、ミノタウロス ミニとの戦闘で消耗しきっている龍人に、ポーションを差し出した。


「ほら、回復ポーション。あんたが勝手に『聖女の秘薬』とか名前つけてるヤツね。飲むの遅いと、視聴者が飽きるよ」


「うぐっ……わかったよ!」


龍人がポーションを飲み干し、体力を回復させる。その間も、彩美は周りの雑魚魔物 スライムやコウモリ を、手慣れた様子で金属バットで叩き潰していく。


彩美の配信が始まると、龍人の配信視聴者数がさらに増加した。


モブ配信者A ギャル参戦! 絵面がヤンキー漫画すぎる


Mon_MikoファンA ミコちゃんの兄ちゃんが、今度はギャルに世話されてるw


サブスクライバーC ヤンキーとギャルの残念パーティー 誕生!


そして、コメント欄には、新たなトップランカーの影が。


Scarlet_King おや。面白いパーティーですね。しかし、その程度の連携では、この先の階層は突破できませんよ。


Scarlet_King。ランキング不動の1位、『紅蓮の剣王』ことカガリ・A・ライトニングのアカウント名だ。トップランカーからのコメント乱入に、龍人の配信は一気に頂点へと跳ね上がった。


龍人は、1位からのコメントに興奮を隠せない。


「紅蓮の剣王!見てるのか!テメェに言われる筋合いはねえ!俺のロマンは、テメェの紅蓮の炎なんかじゃ、焼き尽くせねぇぞ!」


彩美は、冷静に龍人の横腹を肘で突いた。


「バカ!龍人!1位の配信者相手に挑発なんて!アタシたちの今の実力じゃ、相手にすらならないんだから!」


「うるせぇ!彩美!俺はもう『残念なイケメン』なんかじゃねえ!『伝説の萌芽』が始まったんだよ!」


その時、奥からさらに巨大なミノタウロス ミニが二体、同時に突進してきた。


「二体同時!?命のデータには、この状況は載ってねぇぞ!」龍人は焦る。


彩美は、一歩前に出る。


「大丈夫、龍人!アタシが、あんたが『ロマンチスト・ウォール・ディフェンス』してる間に、一体は引き受ける!」


「バカ!テメェの装備じゃ無理だ!」


「うるさい!アタシはあんたの『聖女』だろうが!」


彩美は、金属バットを構え、一つのミノタウロスの突進を真正面から受け止めるのではなく、バットの側面を使って突進の軌道をギリギリで逸らした。


そして、その場に残ったのは、二体のミノタウロスが互いに突進を激突させるという、誰も予想しなかった光景だった。


ドガァンッ


二体のミノタウロス ミニは、お互いにダメージを負い、その場に崩れ落ちた。


龍人と彩美は、顔を見合わせ、声を合わせて叫んだ。


「「非効率だけど、効率的だ!」」


龍人の配信は、トップランカーの乱入と、ギャルとヤンキーの奇跡の連携によって、コメント欄がパンク寸前となった。

よう、また見てくれて感謝するぜ!


ついに彩美が参戦だ!『残念なイケメンヤンキーを献身的に支えるギャルのアタシ』とかいうタイトル、ちょっとムカつくが、あいつのおかげで視聴者が増えたのは間違いない。『ヤンキーとギャルの残念パーティー』とか言われてるらしいが、まあいい。


しかも、なんとあの『紅蓮の剣王』カガリが俺の配信を見てたぞ!ふざけんな!俺のロマンを否定するようなコメントを残しやがって。だが、ランキング一位に認知されたってのはデカい。俺の伝説が、いよいよヤツの耳にも届いたってことだ。


そして、ミノタウロス二体同時突進。命のデータにない緊急事態を、彩美が『相打ち作戦』で切り抜けやがった。あのバット、ただの金属じゃねぇな。あいつのロマンチストな魂が、あのバットに乗り移ったんだ。


チクショウ、俺ばっかりが笑いを取るんじゃなくて、彩美もちゃんと『ヒロイン』として活躍しやがった。これで、俺たちの『残念なパーティー』は、最強になるぜ!


次は、紅蓮の剣王に一泡吹かせてやるくらいの勢いで、このダンジョンを攻略してやる。見てろよ、テメェら!

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