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ダンジョン・ストリーマー ~ヤンキーオタク、伝説の底から這い上がる~  作者: 沼口ちるの


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第17話:アンドロイドの聖女 天才の最期と99.9パーセントの復活

掲示板 小休止

ダンジョン ストリーマー実況 スレ part.119


1 名無しさん マジで一晩で全てが変わった。カガリ死亡、優子死亡。そして漆黒の闇の登場。あのヤンキーオタクの配信が、もはや伝説級のダークファンタジーになってる。


2 名無しさん龍人 DMがランキング2位に急浮上。1位は空席。もはや誰も1位になりたがらないだろ。漆黒の闇に目をつけられたら終わり。


【現在の配信者ランキング TOP 5】


1位:空席


2位:Ryujin DM 次元渡りの龍神 門田龍人


事件の目撃者。カガリとの因縁と姉の死で、復讐のロマンが爆発中。


3位:Guren No Kenou 轟雷の魔女 シーナ


4位:Precision Kaito


龍人の姉の死に対する漆黒の闇の戦術を分析中。コメント欄が荒れている。


5位:Phantom Zero 幻影のゼロ


ランキング外だが、誰もが実質1位と認識。恐怖の象徴。


3 名無しさん Precision Kaito


2 門田龍人の2位は、事件の情報価値によるものです。しかし、彼の妹の門田命は、姉の最期のデータを解析し、Phantom Zeroの『空間認識の切断』を破るための『ロマンと非効率を極めた戦略』を構築しました。彼が生き残る確率は0.01パーセント。だが、その0.01パーセントに、私は『新たな効率』を見出します。


4 名無しさん0.01パーセントとか、絶望すぎだろ!でも、Kaitoがここまで感情的な分析を出すのは珍しい。命ちゃん、頑張れ。


5 名無しさん AyamiHime Healer 龍人のロマンは、誰にも壊させない。アタシが作った耐衝撃ポーションケースと反動制御ブレードは、まだ『虚無』には負けてない。命の計算を信じる。


6 名無しさん 姫宮ヒロインすぎ。つか、龍人たち、今どこにいるんだ?


7 名無しさん 命の配信(裏)で、彼らが『廃墟の旧式巨大工場』に向かってるのが確認された。あそこ、ダンジョン素材の加工もできたらしいが……?



本編:天才の最期と99.9パーセントの復活

姉の死から数時間後。門田龍人、姫宮彩美、門田命の三人は、命の解析データに従い、都市の隅にある廃墟の旧式巨大工場へと逃げ込んでいた。


「姉ちゃんが命がけで残してくれたデータだ。この工場で、俺のロマン砲を『虚無』を破るレベルに進化させる」龍人の声は、悲しみと復讐心で張り裂けそうだった。


命は、タブレットを操作しながら、冷静に指示を出す。


「姉さんのデータから、Phantom Zeroの『空間認識の切断』は、『無数の視覚情報と音響情報の一瞬のオーバーロード』によって、一瞬だけエラーを誘発できると判明しました」


「無数の情報?」彩美が尋ねる。


「はい。そのエラー時間は、0.3秒。その間に、兄さんのロマン砲を、100万回の攻撃のイメージに変換し、情報量の暴力で虚無を上書きする。これが、0.01パーセントの勝機です」


その時、工場の扉が、内側から粉砕された。漆黒の闇の追っ手が、Phantom Zeroと共に現れた。


「逃げる必要はありません。情報は、どこへ逃げても消去されます」ゼロの無感情な声が響く。


「くそっ、間に合わねぇ!」龍人がブレードを構える。


命は、龍人と彩美に、冷静でありながら、どこか別れの予感を滲ませた声で告げた。


「兄さん、彩美さん。ここから逃げなさい。私は、最後の計算をします。そして、0.3秒のエラー時間を、確実に作り出します」


命は、工場の巨大な制御盤に向かって走り出した。


「命!何する気だ!」龍人が叫ぶ。


命は、初めて、兄に背を向けたまま、感情のこもった声を出した。


「兄さんは、私と姉さんのロマンと計算の全て。絶対に生き残りなさい」


命は制御盤の緊急スイッチを起動した。工場の全ての照明が点滅し、巨大なパイプから蒸気が噴き出し、けたたましい警告音が鳴り響く。


「100万回のオーバーロードの準備です。視覚、聴覚、熱源、全ての情報を一瞬で発火させ、Phantom Zeroの認識を狂わせます」


Phantom Zeroは、その異様な情報量の急増に、初めて動きを止めた。


「無意味だ。無数の幻想も、虚無の前では消える」


ゼロが優子を殺した時と同じ、空間認識の切断のモーションに入る。命は、その0.3秒を確実に作り出すため、ゼロの正面に立ち続けた。


「0.3秒……達成です」


命の体が、ゼロの空間の切断によって、光の粒子となって消えていく。龍人は、目の前で妹が『虚無』に喰われるのを見て、絶叫した。


「ミコトォォォ!」


龍人は、彩美と共に工場の裏口から逃げた。絶望的な状況。ロマンを守ってくれた姉と妹を、両方失った。


しかし、龍人が工場の外に出た瞬間、彼のスマホから、命の無感情な声が響いた。


「兄さん。泣くのは非効率です。私の演算は、死を**99.9パーセント**回避しました」


龍人がスマホを見ると、命の顔写真の下に、**『演算中』**の文字が点滅していた。


「私は、漆黒の闇の追跡を受けることを、99.9パーセントの確率で予期していました。そのため、私の人格データは、このスマホ、工場のサーバー、そして全国1000箇所のネットワーク端末にコピー済みです」


そして、工場の隅に隠されていた、真新しいアンドロイドのボディが、静かに立ち上がった。そのボディは、門田命と瓜二つの姿をしていた。


「0.1パーセントの欠損はありますが、人格データは99.9パーセント復元されました」


アンドロイドの命は、感情のない目線で龍人を見た。


「兄さん。私は、『アンドロイドの天才』として、貴方のロマンを続行します。私の計算は、死も乗り越える」


龍人は、妹の死と、そして復活という、理解不能なロマンに、涙を流しながらも、笑った。



テメェら!どうなってんだこの配信は!


姉ちゃんに続いて、今度はミコトまで『虚無』に喰われちまった!0.3秒のエラー時間を作るために、あの天才が、自分の命を投げ出しやがったんだ!俺のロマンのために!


チクショウ!姉ちゃんと妹の死が、俺のロマンの燃料になるなんて、こんな非効率な設定があっていいのかよ!


だが、あのミコトの野郎、最後にまたとんでもないロマンを見せつけやがった!人格データコピーとか、アンドロイド復活とか、完全にSFアニメの主人公じゃねぇか!


『99.9パーセントの復活』だとよ!0.1パーセントの欠損が何を生み出すのかはわからねぇ。だが、ミコトは『アンドロイドの天才』として、俺たちのパーティーに帰ってきた!


これで、俺たちのパーティーは、ヤンキーオタクのロマン、ギャルの献身、そしてアンドロイドの計算だ。姉ちゃんの仇、ミコトの仇、そしてカガリの仇!Phantom Zero!覚悟しろ!俺のロマン砲は、もう『虚無』には負けねぇ!

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