episode41 育生支援循環計画
<育生支援循環計画・1ヶ月略式財務諸表(試算)>
― 聖庇舎の自立を促し、神殿資源の再循環を目指す小規模救済プロジェクト ―
提出者:ミュリア・ルヴェール
所属:理術院
● 目次案
I:計画概要
II:市場性と神殿内需要
III:製品規格(薬草封/香守り袋/マドレーヌ)
IV:生産計画と作業動線
V:原価計算・損益計画
VI:労働時間と児童業務の扱い
VII:KPI・1ヶ月後の評価基準
VIII:リスクと対策
IX:運用開始スケジュール
X:所感と今後の展望
◆ I. 計画概要(目的・背景・思想)
本計画は、以下の三つを柱とする。
① 聖庇舎の財政基盤を強化し、子ども達の生活・教育の質を改善する
聖庇舎の備品は慢性的に不足し、衣類や食事も十分ではない。
「寄付を待つしかない生活」から、「自分たちで明日を作る生活」へ。
② 神殿内で長期保管され劣化する薬草資源を“循環”させる
薬草は生きている。
時間とともに価値は下がり、保管費用は上がる。
•乾燥庫の湿度管理費
•魔素の漏出による魔虫発生対策費
•長期保管で香気・効力の減少
•廃棄時の処理費
→ これらを「薬草封」「香守り袋」に再生することで、無駄を最小限に。
③ 子供たちの「将来の自立」を助ける
働くということが「義務」や「命令」ではなく「生きる手段」や「やりがい」になるように職業選択の自由を促す。
◆ II. 生産計画と前提条件
● 薬草封(規格:15×15cm、厚さ0.5mm、浄滴含浸率12%)
•製造日数:週2回
•月産:160枚
•単価(卸値):12リーヴ
主用途:薬草の密閉保存、供花包み、儀式の小物封緘、料理素材の短期保存など。
● 香守り袋(規格:掌サイズ/季節香・神格香の2種)
•製造日数:薬草封と並行
•月産:40袋
•単価(卸値):18リーヴ
種類例:
・〈朝霧〉ミント+香清草(涼性)/夏季推奨
・〈木漏れ日〉雷果皮粉末+金香樹の葉(穏和)/通年
・〈祈り〉清蓮花粉末(清浄)/礼拝用
・〈守り火〉赤温樹皮(温性)/冬季
● マドレーヌ(規格:黄金貝型/1枚焼き板20個取り)
•製造日数:週1回(衛生概念の観点からその他製造とは被らない日程で調節する必要あり)
•月産:200個
•単価(卸値):32リーヴ
※西方支援の象徴として、“ブレッシェル(祝福の貝)” の名称案を併記予定。
◆ III. 月次売上高(予想)
品目 数量 単価 売上
薬草封 160枚 12リーヴ 1,920
香守り袋 40袋 18リーヴ 720
マドレーヌ 200個 32リーヴ 6,400
● 合計売上:9,040リーヴ
◆ IV. 月次費用(予想)
● 原材料費
※多くが廃棄予定物資の再利用のため、材料費は低額。
•植物紙再生用の紙屑 主に廃棄物再利用……0
•薬草・封草粉末 月間調達量のうち端材利用……200リーヴ
•香守り用薬草、芳香薬草の小口仕入れ……180リーヴ
・マドレーヌ用製菓食材(卵・粉・砂糖・バター・蜂蜜・雷果皮)……820リーヴ
原材料費計:1,200リーヴ
● 備品・消耗品
•すり鉢交換積立……50
•布巾リネン洗浄……20
•紐・縫製小物……30
•厨房使用料……40
•その他……100
消耗品費計:240リーヴ
● 合計費用:1,440リーヴ
◆ V. 粗利益(1ヶ月)
売上 9,040 − 費用 1,440= 粗利益 7,600リーヴ
◆ VI. 利益配分計画(案)
配分先 目的 割合 金額
聖庇舎運営費 生活・衣類・学習備品の購入 30% 2,280
西方沿岸支援金 魔苔被害支援(寄進扱い) 20% 1,520
循環計画積立金 次月の材料費・設備補修 40% 3,040
ミュリア私費返済 初期投資の回収 10% 760
◆ VII. 成果指標(KPI:1ヶ月後の判断基準)
•薬草封:品質基準80%達成
•香守り袋:香気残存70%以上
•聖庇舎食堂の備品……改善率15%
•子ども負担度……既存業務+1割以内
•神殿内薬草廃棄量……前年同月比 −12%(予想)
神殿で働かせていただく以上、ここで育つ子たちが一人一人が人として認められ、未来を諦めずにすむための仕組みを作りたいです。薬草は捨てれば終わります。しかし、循環させれば誰かの明日を救うことでができます。
これは私ひとりの有象無象ではなく、聖庇舎の子たち自身が自分の手で未来を作る力を持つための小さな仕組みです。
どうか、この計画の可能性を見ていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。




