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第8話 指導料は身体で払って貰いますわ!

 △△(side:リリアーゼ)


「ロゼ、間違ってますわよ。そこには先程求めたこちらの値を代入なさい」


「あっ、そうなんですね。申し訳ありませんアーゼちゃん」


「この程度の問題を即座に対応できないようでは到底特Aクラスには入れませんことよ?もっと集中なさい」


 現在、わたくしは部屋にある勉強机にロゼを座らせ、その隣で彼女に対して指導を行なっておりますわ。


 まず1年後にわたくしと彼女が入学する事になるフォーチュン学園ですけれど、これは入るだけなら貴族の令息令嬢でかつ読み書きができ、家がそれなりの学費を納めてさえいれば事足りますの。


 ですが原作ゲーム『ふぉーみら』の悪役令嬢であるわたくしや主人公のシャルロット、そして攻略対象が所属する事になる特Aクラスに入る為には、それ相応の学力が必要となりますわ。

 これは当面の死活問題ですの。


 ロゼを生徒として学園にねじ込んだところで違うクラスになってしまえばもしもの時に対応できませんし、何よりわたくしのモチベもだだ下がりになってしまいますものね。

 ですので彼女にはこのわたくしが手ずから勉学の面倒を見てやっているという訳ですわ。


「あの、アーゼちゃん。こうして勉強を見て頂けるのは大変有り難いのですが」


 わたくしの完璧な指導を遮り、申し訳なさそうに切り出すロゼ。

 なぜか頬は赤らみ、そのロゼ色の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいますわね。


「あん?何か文句でもありますの?」


「その、どうしてアーゼちゃんはあたしの太腿を撫でているのでしょうか。んっ……これだと問題に集中できなくて」


 ロゼは彼女の着ているエプロンドレスを捲り上げ、黒タイツ越しに露出した太腿を撫でるわたくしの行為に対してピクンと可愛らしく震えますの。

 わたくしはそんな彼女の目元を指で拭うと、付着した涙を口に運びましたわ。


 しょっぱいですわね。

 ですが、それがいい。


 あ、補足ですけれどバレスチカ家の養女になった後でもロゼの普段の服装はいつものミニスカメイド服ですわ。

 貴族女子がメイド服を着るだなんて他所から見れば家族から使用人として扱き使われていると思われても仕方ない気がしますけれど、特に問題になってないあたり、やはり元となったのがゲームなだけありますわね。


 わたくしとしても清楚(でもない気がしますけれど)なミニスカメイド服に身を包むロゼを視◯するのは目の保養になるので望むところですけれど。


 おっと、話が逸れましたわね。


「ロゼ。あなた、わたくしに指導料を払えますの?」


 わたくしから問われ、サッと顔色が青くなるロゼ。

 ふふ、確かにグレンお兄様の前ではわたくし自らロゼの面倒を見るとは言ったものの、無報酬でやるなんて言ってませんことよ?


「お金はアーゼちゃんの専属メイドをしていた時の給料がありますからそれなりには。あと来月からバレスチカ家の養女として支度金が頂ける事になってます」


「ハッ、足りませんわね!このリリアーゼ・バレスチカの指導料がメイドの給金や子爵家レベルの支度金で賄えるとでも?」


「えっと、それはアーゼちゃんはもうあたしの勉強を見るつもりはないという事でしょうか?」


「そんな事、言っていないでしょう!」


 ロゼのズレた発言に机をバンと叩きますの。

 察しが悪い子ですわね!

 そこが可愛いのですけれど!


「指導料がお金で払えない以上、あなたはわたくしに身体で報酬を支払う義務があるのですわ。これはその代金の一環ですのよ」


 説明後、ふーっとロゼのうなじに息を吹きかけましたわ。

 すると彼女は『ひゃうっ』という可愛らしい悲鳴と共に身をくねらせますの。


 そうそう、この反応だけでご飯三杯(比喩表現)はイけますわ!


「うぅ……アーゼちゃんにあたしの貧相な身体を触って頂く事がお金を払う代わりになるんでしょうか?」


「なりますわ」


 即答ですの。

 そもそもロゼは年齢の割に少し乳房の膨らみが控えめなだけで十分に魅力的な身体をしていますわ。

 わたくし特攻と言っても差し支えないですの。


「ですが勘違いなさらないように。あなたの身体が報酬として機能するのはあくまでわたくし限定の話ですわ。くれぐれも他の者、特に殿方には触らせたりする事は許しませんことよ」


 実際のところ、ロゼは10人に聞いたら9人は美少女と答える程度には美しい容姿をしておりますし、身体を売ればそれなりの収入にはなると思いますの。

 ま、そんな事をしたところでわたくしが相手となった殿方を全員ぶち◯すだけの話なので意味のない仮定なのですけれど。


「分かり……ました。それでアーゼちゃんが喜んでくださるなら」


 そう言って真っ赤になって俯くロゼの表情を見るだけで達してしまいそうになりますわ!


 お兄様はロゼが養女になったらこれまでわたくしが行なっていたような命令はできないと仰っていましたけれど、そんな物はこうして適当なイチャモンを付けてやればどうにでもなりますのよ?

 昨日から始めたロゼを『枕』にする命令も『これから歳の近い姉妹として仲良くやっていく為の訓練』としてゴリ押しで継続させていく予定ですわ。



 ◇



 さて、ロゼが問題集に向き合っている時間を利用して、わたくしはアクアルお姉様のお部屋の前までやって来ましたわ。

 あのままロゼへのお触りを続けていればわたくし自身は楽しめるものの、それで彼女の勉強が進まなくなってしまっては本末転倒ですもの。


 それにフォーチュン学園の入試までにはまだ1年もある事ですし、それなら今春休みでずっと家にいるお姉様を使ってやれる事の準備を進めた方が効率的なのですわ。


 部屋の扉をノックすると『どうぞ』と短い返事が返って来たので遠慮なく開けさせて頂きましたわ。

 まぁ、仮に居留守を使われたとしても開けていましたけれど。


「失礼しますわ、アクアルお姉様」


「失礼するなら帰って」


 入室したわたくしをチラリと見たお姉様はあろう事かこのリリアーゼ・バレスチカを前にして帰れなどとのたまってきやがりましたわ。


 お姉様のくせに生意気ですわね!





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 好きな子にこんだけ好き放題やれたら人生楽しいだろうなぁと思いながら書いております。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 もし宜しければブックマーク、評価、レビュー、ご感想、リアクション等をして頂けると作者のやる気が爆上がりしますので、少しでも面白い、続きが読みたいと思った方は宜しくお願い致します。

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