第71話 レイは負けてないから……!
今回エッッッな表現がいつもよりきついので苦手な方はご注意ください。
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△△(side:レイライト)
真っ暗な暗闇の中で最初に感じたのは背中を支えるふんわりとした浮遊感に近い感覚に、左腕から伝わる少しひんやりとした柔らかい感触と、右腕から伝わる暖かくて柔らかい感触。
ふわふわした夢心地で気持ちいい。
ここは天国で、レイはリリアーゼに負けて殺されちゃったのかな?
悪い事をしても、天国に行けるんだ?
そんな考えが頭に思い浮かぶ。
……最期にママに会いたかったな。
目尻から涙が溢れる。
頬を伝ったそれからは確かな熱を感じた。
「あら?ようやく起きましたの?まったく、わたくしの妹は寝坊助さんですわね」
「え?」
すぐ耳元でねっとりとした声音で誰かが囁いた。
驚いて目を開けるとそこには上質な黒の下着に身を包む、端正な顔立ちをした黒髪黒目のスタイルのいい美少女。
レイの宿敵とも言えるあの女、リリアーゼがこちらを見下すような獲物を見定めたような目付きをしたまま、レイの左腕に抱きついていた。
「リリアーゼ!?……っ!動けない!?」
慌てて跳ね起きようとしたけれど、リリアーゼによって抑えられている左腕だけじゃなくて右腕まで動かなくて身体の自由が利かない。
状況を把握する為、右の方に視線をやるとそこには––––
「あ、おはようございます白アーゼちゃん。無事に目覚めてくださって良かったです」
可愛らしいピンクの下着を身に付けた、どこか子犬のような印象を受けるロゼ色の髪と瞳をした可憐な少女。
メイドちゃんが少し困ったような笑みを浮かべてレイの右腕をホールドしていた。
……いや、なんで?
あと白アーゼちゃんってもしかしてレイの事!?
意味が分からない。
それに心臓がバクバクする。
リリアーゼもメイドちゃんも何故か下着姿で、まともに見ていると頬が熱くなって息がつまりそうになるから、レイは大人しく仰向けのまま上を見るしかなかった。
「あとでシャルロットにお礼を言っておきなさいな。重傷を負ったあなたを傷一つ残さず治療してくれたんですのよ?」
「後輩ちゃんが……?」
ジクリ、と胸が痛んだ。
どうして後輩ちゃんはあんなに酷い事をしたレイを助けてくれたんだろう?
「それと、わたくしにも感謝するのですわ。寝ている間に百合乱暴(控えめな表現)してもよかったところをいまの今までずっと待ってたんですのよ?やはり『初めて』は意識がある時にするに限るのですわ」
こいつ……!
この女、リリアーゼは自分の実の姉であるアクアルお姉ちゃんですら慰み物にした異常性欲者だ(キッカケを作ったのはレイだけど)。
あの優しいお姉ちゃんですらあんな事をされたんだから、完全に敵対していたレイにリリアーゼが何をしようとしてるかなんて簡単に想像がついた。
「この卑怯者!毒を使ってレイの身体の自由を封じて辱めようだなんて、あなたにはプライドがないの?」
「毒、ですの?」
レイに指摘されたにも関わらず、キョトンとした顔をして惚けるリリアーゼ。
「惚けたって無駄よ!だってさっきから心臓がドクドクして身体が熱いんだもん!前にレイに口移しで毒を飲ませた時と同じように、卑怯な手を使ったんでしょ!」
でなければ、こんな両手を掴まれた程度の拘束なんてとっくに抜け出せている筈だ。
「アーゼちゃん、これは……」
「えぇ。とんでもない逸材ですわ」
レイの右手の方にいるメイドちゃんのどことなくわくわくしたような声に、左手の方にいるリリアーゼが満足気な声音で返答した。
なんなの?
一体、何を企んでいるの?
「流石に鋭いですわね、レイライト。あなたの言う通り、今回も気絶している間に口移しで毒を飲まさせて頂きましたわ。それも一口飲むだけで感度が3000倍になる強力な媚薬を、ですの」
「か、感度3000倍!?」
そんな媚薬、もし飲んだのが一般人だったら肌が空気と触れ合っただけで死んじゃうじゃない!
レイの事を殺すつもりだったの!?
……そうか!
それだけ強力な媚薬だから、さっきから治癒魔法を自分にかけつづけてもまるで効いてる感じがしないんだ……!
「ぷっ、くく……いくらあなたが歴代最高の性……聖女とはいえ、甘い痺れで身体がまともに動かせないのではなくて?」
「くっ……」
何が面白くてたまらないのか、『にちゃあ』っとした笑みを浮かべたリリアーゼが得意気に勝ち誇る。
悔しいけどこいつの言うように、レイが自分の身体を自由に動かせなくなってるのは間違いないみたい。
その証拠にリリアーゼと目を合わせると動悸が激しくなって頭がふわふわしてくるんだもの。
「というか、もういい加減我慢出来なくなってきた事ですし、頂きますわよ?まさかあなたがここまでわたくし好みの反応をしてくるなんて、IQ2万を超える超天才のわたくといえど流石に予想できませんでしたわ」
「きゃっ……んんっ!?」
リリアーゼはそっとレイの身体を引き寄せると、腹が立つぐらい綺麗な顔を近づけて、レイの唇を奪っていった。
口を閉じているにも関わらず、リリアーゼの舌が口内に入ってきてレイの舌を味わい尽くすかのように絡みつき、蹂躙していく。
「あんっ……やめ……」
キスを続けながらも、リリアーゼはレイの下着越し(気絶してる間に脱がされてたみたい)にお尻を撫でてきて、その度に変な声が出てしまう。
抱きしめられた事で、リリアーゼのひんやりした肌の体温と、レイより大きく柔らかいお胸の感触で頭がいっぱいになって何も考えられなくなってきた。
くぅ……媚薬さえ飲まされてなければ、こんな奴に好き勝手されたりしなかったのに……!
「はーっ、はーっ……」
ようやく長いキスから解放されたにも関わらず、レイはリリアーゼと抱き合ったまま、ぐったりして力が入らなくなっていた。
「うふふ、長いこと待った甲斐がありましたわ。次は––––」
「アーゼちゃん。あたしも白アーゼちゃんとキスしたいです」
レイを嬲り続けるリリアーゼに、メイドちゃんが今度は自分もやりたいと言ってきた。
……だからなんで?
異常性欲者であるリリアーゼはともかくとして、これまでほとんど関わりがなかったメイドちゃんが急にレイとキスしたいと言い出した意味が分からない。
「ロゼ、ちゃんと名前で呼んであげなさいな。これからは3人で長く致していく事になるんですもの。それと、しっかり加減はするように。間違っても本気を出して壊すんじゃあないですわよ?」
「わかりました!それじゃあ頂いちゃいますね、白アー……じゃなくてレイちゃん」
ついこの前まではレイの事を様付けで呼んでたのに、いきなり略称+ちゃん付けとか、この子思ったより図々しいなとか考えたその矢先––––
喰われた。
「んんんんんんっ!!?」
小柄な少女とは思えない程の力でキツく抱きしめられ、後頭部を押さえつけられ唇を奪われた。
リリアーゼと違って体温が高いのか、触れ合った肌がジンジンするように感じる。
「ちょっ……だめっ……」
何とか逃れようとするも、メイドちゃんはちっとも離してくれず、レイの口内を啜りながら唾液だけでなく肺の中の空気まで吸い出そうとしてくる。
––––最初、レイがメイドちゃんを見た時、まるで可愛らしい子犬みたいな子だなって印象を持っていた。
全然違った。
この子は飢えた狼だ。
二人から無理矢理キスされた事で不本意だけど何となくその違いが分かった。
リリアーゼはレイを支配する為に、力をセーブしつつ、まるで焦らすようにしてレイを嬲ってくる。
狂っているようである意味とても理性的だ。
だけどメイドちゃんはそれとは対照的に、後先考えずそこにある物をひたすらなくなるまで喰い続ける。
まさに天性の野獣。
このままだとレイは本当に壊されてしまうかもしれない。
耐え難い快楽と、不足する酸素で意識が朦朧としたその時––––
「そこまでですわ。ロゼ、ちゃんと加減なさいと言ったでしょう?」
「あ、ごめんなさい。レイちゃんとキスしながらアーゼちゃんとも間接キスしてると思うと抑えが効かなくて、つい興奮しちゃいました」
リリアーゼがストップをかけた事でようやくレイは解放される。
助かった。
そう思ったのに––––
「さて、それじゃあお待ちかねの初体験のお時間ですわ」
ねっとりとした視線でレイを見つめるリリアーゼが、レイの下着に手をかける。
「う……あ……」
「安心しなさいな、レイライト。あなたが過去にどれだけ汚い汚っさんにヤられていようとも、わたくしとする今日があなたにとっての『初めて』なのですわ」
もうレイに抵抗する術は残ってなかった。
「レ、レイは負けてないから……!媚薬さえなければ……媚薬さえなければリリアーゼなんかに……」
「あなた、わたくしを喜ばせる為にワザとやってる訳じゃあないですわよね?……ま、いいですわ。その心意気に応えて存分に気持ちよくして差しあげますの」
辛うじて守られてきた『初めて』はちょっとだけ痛くて、悔しいけれど頭が沸騰するぐらい気持ちよかった。
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レイライトが感度3000倍の媚薬は自分じゃなければ死んでたと言ってますが、実際には感度1倍でこのザマなので、3倍ぐらいあれば余裕で死んでると思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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