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クレイジーレズと呼ばれた少女、自分が戦闘あり乙女ゲーの大ボス悪役令嬢だと気付いたので開き直って今世で推しのサブキャラメイドを愛でる  作者: エスツー
第二章 学園編

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第58話 だーれだ?ですの!

 今回エッッッな表現がいつもよりきついので苦手な方はご注意ください。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 △△(side:レイライト)


「むぐむぐ……はぁ、美味しくない」


 ここは貴族の子息子女が通う王立フォーチュン学園の屋上。

 そこでレイは干し肉を齧りながら溜息をついた。


 後輩ちゃんがやっていたダンジョンボスの連続狩りを真似て、ドロップしたボス素材を売り払った事で現金自体は腐るほどあるけれど、正体を隠しつつ一つの場所に留まって寝泊まりしている以上、どうしても食事は日持ちする物限定になる。


 後輩ちゃんやリリアーゼ達はいつも学食や寮でおいしい食事を楽しんでるのに、なんでレイはこんな不味い物ばかり食べなくちゃいけないんだろう。


 適当な食事を続けてきた上にそもそも食欲自体あまり湧かないから体重も神殿にいた頃よりもだいぶ減っちゃった。


「こんな事、いつまで続ければいいのかなぁ」


 後輩ちゃんとリリアーゼを泣かせて、レイの前で跪かせて謝らせる事ができればそれだけで満足だったのに、あの子達が学園に来て1ヶ月が経とうというのにとっかかりすらできてない。


 ……ううん、違う。

 正確に言えば後輩ちゃんに魔法をかけてリリアーゼと敵対させて追い詰める事で、彼女を泣かす事だけはできた。


 ––––けれど。


 後輩ちゃんの泣き顔を見ても、レイの気分が晴れる事はなかった。

 ただ胸がムカムカして、やった事を後悔しただけ。


 その上、後輩ちゃんはアクアルお姉ちゃんと寄りを戻して、前より仲が深まる始末。


 そして結果はこの有様。

 レイは自分のお姉ちゃんを後輩ちゃんに盗られただけで終わった。



 これ以上後輩ちゃんを攻撃しても上手くいく気がしなかったし、仕方ないから今度は本命のリリアーゼをターゲットにしようと試みたけれど、あの子は微弱な魔力を垂れ流す変な魔道具を持っているせいか、透明化等の魔法を駆使して近付く事もできない。


 だからあの子の周りにいる人間、特Aクラスの子達に感情を誘導する魔法をかけてみたりもしたのだけど、残念ながら彼らがリリアーゼと敵対する事はなかった。


 この魔法は脳の構造が単純な魔物相手ならかなり高い精度、それこそ操ると言ってもいいレベルまでコントロールできるのだけれど、人間相手だとせいぜい一時的に怒りやすくしたりするのが関の山な大雑把な魔法だ。


 魔法をかけた相手の行動をどうこうしたりする事はできない。


 そして、信じられない事にリリアーゼは同じクラスの子達から負の感情を抱かれている訳ではないようだった。

 それどころか、一目置かれているようにすら感じる。



 リリアーゼは《《悪い子》》なのにどうして?

 それとも……。



 《《悪い子》》はリリアーゼじゃなくてレイの方なの?



「……」



 涙が頬を伝った。

 堪えていた物が一度決壊した事で、次から次へと目尻から水滴が溢れ落ちていく。



 いつからだろう?

 レイが《《悪い子》》になってしまったのは。



 あの人達……神殿のお偉いさん達に身体を触られるようになってから?

 清純じゃないから悪い子なの?



 ––––だって仕方ないじゃない!



 《《お務め》》は聖女の修行の為に必要だって言われたんだもん!

 レイだって本当は気持ち悪いし嫌だった!



 それとも神殿の中でレイがそういう事をさせられていた事が知れ渡ったから?


 好きでやってた訳じゃないのに、あの人達はレイの事を『性女』と呼んで蔑んだ。

 レイのやってきた功績をまるでなかったかのように扱って見下した!



 ……それとも、耐え切れなくなったレイが、元凶だった枢機卿を殺したから?


 あんなやつ、生きてる方が害になるだけだっていうのに、何でレイはあいつを殺した事を後悔してるの?



「……汚い」



 純潔が残ってるから大丈夫だとか、そういう話じゃない。

 もうレイは《《いい子》》じゃないんだ……。



「ひっく……ぐすっ……」


 感情が抑え切れない。


 白いドレスの袖で目元を拭っても拭っても涙が止まらなくて、嗚咽を続けていたその時––––



「だーれだ?ですの!」


「え……きゃあっ!?」



 いきなり声をかけられたかと思えば背後から2本の腕が伸びてきて、レイの胸が鷲掴みにされた。


「あんっ……な、なにっ……やっ……!」


 唐突な出来事に頭が真っ白になるレイをよそに、真っ白で綺麗な掌がレイの胸の敏感なところを弄び、その都度口から変な声が漏れてしまう。


 さっきから何なの!?


「んー、思ったよりボリュームがないですわね。あなた、本当にわたくしと双子なんですの?……ま、いいですわ。こっちを向きなさいな」


「なっ……んんんんっ!?」


 混乱する最中、レイは腕を掴まれて後ろを向かされると、襲撃者によって背に左腕を回され強い力で抱きしめられ、後頭部を右手で押さえつけられるようにして唇を奪われた。


 真っ黒な瞳に、まるで人形のように整った端正な顔立ちの少女が無遠慮に舌を伸ばしてレイの口内を蹂躙していく。



 ……リリアーゼ!?



 そこにいたのはレイの宿敵とも言える双子の片割れの女だった。


 リリアーゼはレイの口内にある唾液を舐めとるかのように舌で嬲っていき、その度にレイの頭の中がチカチカして思考能力が奪われていく。

 

 もう何も考えられない。

 レイはリリアーゼのなすがままに蹂躙されるだけだった。


「んあっ……はっ、はぁっ……」


 数分に渡り口内を嬲られた後、レイはようやく身体を解放された。


 呼吸が苦しい。

 心臓がバクバクする。


 それになんだか下腹部が熱い。

 

 どうしちゃったんだろう、レイの身体は。

 まさか、強力な毒でも盛られたの?



 息苦しくて、身体が熱くて、もう満足に動けない。

 だけど、最期にせめてもの抵抗でレイに恥辱の限りを尽くした宿敵を睨み付けてやろうとして……


「隙だらけですわ」


 不意に、顎に軽い衝撃が走った。

 目に映る景色がぐらぐらと揺れて、たまらずレイの身体は前のめりに倒れ込む。


「あ……」


 顔に柔らかい感触が伝わった。

 双子だというにも関わらず、倒れた先にあった乳房の感触はずいぶんと痩せてしまったレイの物より豊満で––––。



 不思議な安心感を感じながら、レイの意識は闇に呑まれた。




 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ラスボス兼(ロゼと対等の)メインヒロイン、レイライトのイメージ(AI絵)です。

 活動報告にちょっとした設定が載せてます。

挿絵(By みてみん)

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 もし宜しければブックマーク、評価、レビュー、ご感想、リアクション等をして頂けると作者のやる気が爆上がりしますので、少しでも面白い、続きが読みたいと思った方は宜しくお願い致します。

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