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クレイジーレズと呼ばれた少女、自分が戦闘あり乙女ゲーの大ボス悪役令嬢だと気付いたので開き直って今世で推しのサブキャラメイドを愛でる  作者: エスツー
第二章 学園編

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第46話 絶対に許さないよ

 △△(side:レイライト)


 触り心地のいい綺麗な金髪を撫でる。

 先程まで寝苦しそうにしていたレイの後輩、シャルロットも今は安らかな寝息を立てていた。


「なんかあっさりすぎて拍子抜けだなぁ」


 レイは感情を癒す聖女ならではの魔法を改造した、人の感情をある程度コントロールできる魔法が使える。


 だから彼女達がこの場所に入学してからあの子(リリアーゼ)を貶める為のチャンスを伺っていたのだけど、あの子も、その周りにいるお姉ちゃん(アクアル)メイドちゃん(ロゼ)も何か特殊な魔道具でも所持しているのか、微量のランダム性のある魔力を垂れ流しているせいで近付く事ができなかった。


 無理に近付いたら透明化の魔法が解けちゃうし、そうなったらレイの目的が果たせないからね。

 レイは憎い憎いあの子が苦しむ姿が見たいんだもん。


 だけど、できない物はしょうがない。

 時間はいくらでもあるんだし、それはおいおい考えていく。

 今は出来る事をやっていこう。



 それで、だからこそもう一人のターゲットである後輩ちゃん(シャルロット)に狙いを定めたんだけど、こっちは同じ聖女だから魔法が効きにくいとかそんな事もなく、すんなり通った。


 そんなに話す機会はなかったとはいえ、レイの事を少なからず慕っていた後輩を貶める企みを実行する事に全く抵抗ないかと言えば嘘になる。



「でも君、レイの事を騙してたんだよねぇ」



 後輩ちゃんのほっぺたを指で突いてやる。

 ぷにぷにで柔らかい。


 なんかムカついたからほっぺたを両手で挟んでグリグリしてやる。

 可愛いお顔がちょっと面白い事になって、少しだけ溜飲が下がった。


「……はぁ」


 全然楽しくない。

 この子が泣いてるとこを見れたら少しは気が晴れるのかな?



 ◇



 後輩ちゃんとの付き合いはそんなに深くはない。

 生まれた時から神殿でミ・ラクル教の聖女となるべく育てられたレイは歴代最高と言われる程度には優秀で、平民から取り立てられ修行を始めたばかりの彼女はまだ未熟な聖女候補、一緒にいられる時間はそう長くない。


 だけど後輩ちゃんからの尊敬の眼差しはレイにとって心地の良い物だったし、レイもまた限られた時間でアドバイスできる事はしてきたし、何事にも()()()()()()()()彼女の事は可愛く思ってた。


 それなのに––––



 昔からやらされていた()()()が実は異常な事だと分かって、それをさせていた枢機卿––––人間を初めて手にかけて、レイが姿を消してから数日後。


 レイは透明化を始めとしたあらゆる魔法を総動員して、こっそりと神殿に侵入していた。

 理由はレイがいなくなった後、後輩ちゃんが代わりに()()()()()()をさせられてるんじゃないかと思って心配になったから。



 だけど、そこにいたのは神殿の人間や、彼女が養子となっているアンサム家の人間からまるでお姫様のように大事に扱われてる後輩ちゃんの姿だった。

 後輩ちゃんよりずっと優秀なレイはずっと()()()をさせられていたのに、この差はなんなの?


 ……あとで調べて分かった事だけど、後輩ちゃんがここまで大事にされてるのは、レイが姿を消した後にレイの生家であるバレスチカ家、その当主のパパ(グラント)が当時レイの身体を触っていた人達とその家族を抹殺して、次に聖女を害したらミ・ラクル教に関わる人間を皆殺しにすると脅迫をした事が原因らしかった。


 うん、分かるんだよ?

 パパが聖女を害さないよう脅迫したのはレイの為だって。


 でもね、レイが嫌な思いをした後にやられてももう遅いし、なんならその恩恵を受けているのはレイじゃなくてバレスチカ家とは縁もゆかりもない後輩ちゃんだけなんだよね。


 まぁ、これだけならレイが後輩ちゃんに八つ当たりしてるだけと言えなくもないんだけど、この子はずっとできない子のフリをして、レイに負担を押し付けてたんだ。



 その証拠に、レイがいなくなってからの後輩ちゃんの行動は明らかにそれまでの彼女のイメージと似て似つかない物だった。


 この子は神殿の騎士達を引き連れて聖女認定の地である『聖者へと至る道』でボスを延々と倒し続けるという異様な行動で己を限界まで鍛え続けた。


 騎士達に守られているとはいえ、戦いに命の危険性を伴う高難度ダンジョンのボスを何度も狩るなんて非常識な行動を、レイの知る未熟な後輩ちゃんが考えつく筈がない。

 この子はずっと猫を被ってきたんだ。


 そして、驚くべきほど短期間で相応の実力を身に付けた後輩ちゃんはレイの跡を継ぐ者、新たな聖女として認定された。

 レイと違って()()()をさせられてる訳でもないのに、レイよりずっと大切にされて。



 そして極め付けは今日の出来事。

 レイのお姉ちゃん(アクアル)が、この猫被りの後輩ちゃんに告白してお友達になった。


 1年ほど前にレイが初めてお姉ちゃんと会話した時、レイの事を警戒しつつ、背後で寝ているあの子(リリアーゼ)を庇う彼女の姿を見て、胸が痛みで軋んだ。


 なんでお姉ちゃんはレイじゃなくて、()()()のリリアーゼを庇うんだろうなって。


 レイが魔法で感情を弄ったのが要因になったとはいえ、リリアーゼはお姉ちゃんに酷い事をしたのに。



 なんでお姉ちゃんは後輩ちゃんの事を好きになったんだろう?


 後輩ちゃんは猫被りな上に、レイより()()()()()なのに。



 レイより悪い子とレイよりできない子が、レイの欲しかった物を全部奪っていく。


 意味が分からない。

 理不尽にも程がある。



 だからレイは許さない。


 あの二人が泣いて謝るまで、レイは絶対に許さないよ。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 (´・ω・`)


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