表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クレイジーレズと呼ばれた少女、自分が戦闘あり乙女ゲーの大ボス悪役令嬢だと気付いたので開き直って今世で推しのサブキャラメイドを愛でる  作者: エスツー
第一章 覚醒編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/71

第29話 クレイジーレズ令嬢ってゲーム(現実)の中でもそう呼ばれてますの!?

 ––––ひそひそ。


 耳障りな囁きと不躾な視線がわたくしとロゼ、そしてお父様に向けられますの。


 いくらわたくしが目が眩む程に美しいとはいえ、こうも露骨では流石に鬱陶しいですわね。

 ていうか、噂話なら本人に聞こえない程度の音量でしやがれですわ。



 ここはキングダム王国の王都シュトーにある王城。


 王都についたわたくし達はまずマリアお母様をこちらでお借りしてるお屋敷に送り届けてからグラントお父様伝いに対レイライト妨害用の魔道具の調整を宮廷魔術師に注文。


 その後は役所でバレスチカ家の養女になるロゼの顔合わせを終わらせ、最後に冒険者ギルド本部に高難度ダンジョン『最果ての回廊』で未知のボスモンスター(とこの時点ではなっている)【処刑者しょけいしゃキルリス】討伐の報告を終えたのですけれど……。


 キルリス討伐の褒賞はこの国の王であられるアーサー・キングダム陛下から直接賜るという事で急遽彼の執務室にお父様と共に呼び出される運びとなったのですわ。

 まぁそれ自体はいいとして––––。



「騎士団長殿と一緒におられるご令嬢、なんと麗しいのだ……」

「アクアル嬢も相当な器量だが彼女はそれ以上かもしれぬ」

「いや、だが騎士団長殿の次女って確か……」

「クレイジーレズ令嬢だったか?噂だとお気に入りのメイドを椅子がわりにしてるかなりアレな令嬢らしい」

「なんだって?それじゃあ後ろに控えているあの可愛らしいメイドの子が––––」

「まぁ!なんて美しい方なのでしょう。是非お友達になりたいわ!」

「ダメよ、早まっちゃダメ!私、クレイジーレズ令嬢と目を合わせたら孕まされるって噂を聞いた事あるわ!」



 ……。

 とりあえずピーチクパーチクうるさい連中は後で事実陳列罪で訴えるとして、一つ言いたい事がありますの。



 クレイジーレズ令嬢ってゲーム(現実)の中でもそう呼ばれてますの!?



 いや、原作である『ふぉーみら』だと攻略対象達やシャルロットからはリリアーゼ嬢、もしくはリリアーゼ様としか呼ばれてなかったからこんなの予想できる訳ないのですわ!

 そもそもリリアーゼ嬢より渾名であるクレイジーレズ令嬢の方が長いってのもどうなんですの!?



 ––––ギロリ。


「「「「ひぃっ!」」」」


 とりあえず喧しいモブ貴族共に対して軽く殺気を飛ばしつつ、睨みつけてやりましたわ。

 すると大半は腰を抜かして蜘蛛の子を散らすように逃げていきましたの。

 フン、いい気味ですわ。


 一部ペタンと腰を抜かし、頬を赤らめてボーっとしている令嬢や貴婦人もいましたけれど、静かになったから良しとしますの。



 ◇



「ロゼ、何かあったらすぐに声を上げるんですのよ?それすら間に合わない状況だったら遠慮なくぶち◯したって構いませんわ」


「あたしは大丈夫ですよ、アーゼちゃん。陛下とのご面談、どうか失礼のないように頑張ってくださいね」


 陛下がいらっしゃる執務室前の廊下。

 呼び出しを受けたのはわたくしとお父様だけなのでロゼはここで待機ですの。


 彼女とは一時的に離れる事になりますけれど、戦闘経験が少ないとはいえ大抵の相手はレベルのゴリ押しでどうにでもなるでしょう。

 わたくし達の会話を聞いた扉前で待機している兵士が『え?俺何かあったら◯されるの!?』みたいな感じで顔を真っ青にしてますけれどやむなしですわ。



 ◇



「おぉ、よく来たな。グラント、それにリリアーゼ嬢」


「お会いできて光栄ですわ、アーサー陛下」


 執務室に入室すると華美な装飾の施されたソファーに座っていたキングダム王国の王、アーサー・キングダム陛下が立ち上がり、出迎えてくれましたわ。

 それに対してわたくしは軽くカーテシーをして応えますの。


 本来ならここで跪き『沈まぬ太陽が云々〜』の臣下の礼を取るのが一般的な礼儀なのですけれど、わたくし達バレスチカ家の人間は王家に忠義を誓っている訳ではないのでそういった作法は行いませんわ。


 まぁそう言った事情もあるからこそバレスチカ家は子爵止まりなのですけれど。


 ちなみにお父様に至っては陛下に挨拶すらせず仁王立ちで踏ん反り返ってますの。

 流石バレスチカファーストを謳っているだけの事はありますわね。


「うむ、余も麗しいリリアーゼ嬢と会えて嬉しいぞ。さぁ、二人とも遠慮せずかけてくれ」


 陛下に薦められるままにわたくしとお父様はソファーに腰掛けましたわ。

 ふかふかでかつ沈みすぎずに身体を支えてくれるこの奇跡的なバランス、王家なだけあってやはりいい家具を揃えていますわね。


 わたくしは対面に座る陛下と目線を合わせましたわ。

 彼の後ろにはわたくし達の相手にならないとはいえ、一応2名の護衛騎士が控えていますわね。


 アーサー陛下は金髪青眼で口元に綺麗に切り揃えた髭、そして質のいい黒をベースにした貴族服の上から豪奢な赤のマントを羽織っている相当なイケオジですの。


 歳はおそらくお父様と同じ、30代後半ぐらいだと思いますわ。

 イケオジ具合ならお父様も負けてはいないと思いますけれど、陛下と違ってお父様は常に重苦しい圧迫感を発しているので、大抵の方々は陛下の方が好ましく思う筈ですの。


「さて、まずはリリアーゼ嬢。前人未踏である『最果ての回廊』10階層以降のボスの撃破、大義であったな。褒美として其方には男爵の爵位を与えよう」


「わたくしが男爵?」


 そう言って懐から勲章を取り出して差し出す陛下。

 一方、わたくしは予想外の申し出に面食らってましたわ。


「そう遠慮するでない。其方の功績は爵位を与えるに充分な代物だ」


「……謹んで頂きますわ、陛下」


 とりあえず貰える物は貰っておくのがわたくしの流儀ですの。

 しかし、わたくしが爵位持ちになるとは原作である『ふぉーみら』ではあり得なかった展開ですわね。


 陛下はわたくしが勲章を受け取るのを見ると、満足そうに頷きましたわ。


「では、早速本題に入るとしよう。リリアーゼ嬢よ、其方は余の倅であるアレイスターの事は存じておるか?」


「もちろんですわ、陛下。アレイスター王太子殿下とは来年入学予定のフォーチュン学園で同級生になりますもの」


 そう答えつつ、わたくしは陛下の子息であるアレイスターの原作設定を思い返していましたわ。



 アレイスター・キングダム(公式人気投票第3位)。

 王太子であり、容姿端麗、文武両道の彼は誰にでも公平に接し、嫌われ者であるリリアーゼに対しても優しい人格者で3人いる攻略対象の中でも一番人気のキャラクターですの。


 ……前にも思いましたけれど、一番人気の男性キャラクターが公式人気投票3位の乙女ゲームってのもどうなんですの?


 いえ、仮に『ふぉーみら』を乙女ゲームではなく少年漫画に見立てたとしたら、ライバル(悪役令嬢)リリアーゼ1位、主人公シャルロット2位、ヒロイン(ヒーロー)アレイスター3位、ライバル(悪役令嬢)の従者ロゼ4位で割と妥当な順位だったりするのかもしれませんわね。



「リリアーゼ嬢、そしてグラントよ。お主達に不都合がなければで良いのだが」


 わたくしの思考がくっそどうでもいい方向へ逸れる最中、話を切り出した陛下は声を潜め、真剣なまなざしでわたくしを見つめてきましたわ。



「リリアーゼ嬢を余の倅、アレイスターの婚約者とする気はないか?」





 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 リリアーゼが原作ゲーム中でクレイジーレズ令嬢と呼ばれるシーンはありません。


 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 もし宜しければブックマーク、評価、レビュー、ご感想、リアクション等をして頂けると作者のやる気が爆上がりしますので、少しでも面白い、続きが読みたいと思った方は宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ