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クレイジーレズと呼ばれた少女、自分が戦闘あり乙女ゲーの大ボス悪役令嬢だと気付いたので開き直って今世で推しのサブキャラメイドを愛でる  作者: エスツー
第一章 覚醒編

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第24話 小ボスが大ボスに勝てると思ってるんですの?

「世話になりましたわね、お姉様」


 リリアーゼからかけられた言葉に私は呆気に取られたわ。

 高慢ちきなこの子が素直に礼を言うなんて……。


「あとはわたくしがやりますの。手出しは不要ですわ」


「……リリアーゼ」



「臭––––

「うっせぇですわ!!」


 苦情を漏らした私を怒鳴りつけつつ先程吹き飛ばした、紫色の金属で全身を覆う瞳が真鍮でできた魔物の下へと歩みを進めるリリアーゼ。

 そんな彼女と入れ替わるようにロゼ色の髪と瞳をした、丈の短いスカートのメイド服に身を包む少女、ロゼが刺激臭を撒き散らしながら駆けつけてきたわ。


「アクアル様、ご無事ですか!」


「ロゼ。悪いけどちょっと離れ……いや、やっぱりいいわ。【清浄(ピュアリィ)】」


 呪文を唱えるとロゼの身体が鈍く発光し、彼女から漂うヘドロのような酷い臭いが掻き消えた。

 良かった、私の【清浄(ピュアリィ)】はこのレベルの臭いにも効くのね。


「ありがとうございます!あの……これ使ってください!」


「頂くわ」


 私はロゼからハイポーションを受け取ると、そのまますぐに飲み干す。

 普段なら高額なハイポーションなんて使わずに自分で傷を癒す所だけど、魔法の連続使用で精神的に疲弊しすぎてるし、それにここに来てから手に入ったドロップ品を売りさえすれば使った費用に関してはすぐ戻ってくるわ。



「アーゼちゃんは勝てるでしょうか?」


 私の隣に立ち、現れた魔物とリリアーゼの対峙を見届けるロゼがオドオドとした様子で訊ねてきた。

 まぁ、不意打ちとはいえリリアーゼはあの魔物の攻撃で死にかけたんだから不安にもなるわよね。


「ロゼ。私がアレと戦い始めてからどれだけの時間が経ったか分かる?」


「あ……申し訳ありませんアクアル様。アクアル様のおかげであたしもアーゼちゃんも命を拾––––」

「いや、別に嫌味を言いたいわけじゃないから」


 フォーチュン学園の学園長が朝礼台の上でよくやる『今、皆さんが静かになるまで〜〜分かかりました』的な寸劇をしたかった訳じゃないのよ?



「私があの魔物と戦って保たせた時間は約3分。そんな相手にリリアーゼがもし本気を出したら––––」



 ちょっと得意げに微笑んで答える。



「30秒でケリがつくわ」



 ドン!!!



 前方から大きな衝突音が聞こえてきたわ。

 その音の正体は体勢を立て直した魔物の顔面にナックルダスターを装備したリリアーゼの拳が突き刺さり、再びダンジョンの壁に魔物が激突した事による物よ。


 あれは相当キレてるわね。


「小ボス風情が大ボスであるこのわたくしに勝てると思ってるんですの?生意気ですわね」


 リリアーゼから小ボスとか大ボスとかよく分からない単語が出てきたけれど、何の事かしら?

 そもそもこの子自体がよく分からないから今更か。


「あなたの下賤で卑劣な不意打ちのせいでわたくしのファーストキスがヘドロ(気付け薬)味になってしまいましたわ。この責任、どうとってもらえるのかしら?」


 ファーストキス?

 思わず隣のロゼの方を振り向くと、彼女は恥ずかしそうに俯いていたわ。


 その反応を見てフォーチュン学園第1学年首席の超優秀な頭脳を持つ私は瞬時に答えを導き出す。


 ……人命救助の名目で気付け薬を口移ししたのね。

 そもそもファーストキスじゃないとか指摘したいけど、それを言ったらリリアーゼが余計荒れるのは目に見えてるからやめておきましょう。


「今からぶち◯されるあなたに冥土の土産としてわたくしから一つ格言を送ってさしあげましてよ」


 そう前置きするとリリアーゼは口角を釣り上げ、真鍮でできた瞳が変形し膝から崩れ落ちた魔物をニヤニヤとした笑みで見下しつつ、指差しながらこう言い放ったわ。



()っていいのは、()られる覚悟がある者だけですわ」



()っていいのは、()られる覚悟がある者だけ……そうか!そういう事だったんですね!アーゼちゃん!!」



 今適当に思いついたかのようなリリアーゼの格言を聞いて、凄まじい感銘を受けたかのように目をキラキラと輝かせるロゼ。


 何となく二人のニュアンスに違いがあるように感じられるのは私だけかしら?



「さて、遊びは終わりですわ。……【葬黒(ソウコク)】」



 瞬間、黒色の魔力の残滓を残してリリアーゼの姿が掻き消えた。


 いえ、違うわね。

 既に対峙していた魔物の前に《《いた》》という方が正しい。


 危うく見失いかける程の超スピードで魔物の目の前に現れたリリアーゼは目視困難なスピードで黒の魔力を纏わせた手刀を振り下ろす。

 すると手刀が紫色の金属でできた魔物の身体にヒビを入れると同時に黒色の竜巻が発生し、更にその身体を切り刻んでいったわ。


「うふふ、アハハハ!!!」


 凄まじい速度でのリリアーゼの手刀と発生した竜巻の同時連撃により、反撃の糸口すら掴めず、無惨に砕かれ削り取られていく魔物の姿。

 奇声――じゃなくて笑い声を上げながら攻撃してるせいであれじゃどっちが魔物か分からないわね。


「そのまま◯ねぇ!ですの!」


 最後にリリアーゼは特大の竜巻で魔物の身体を巻き上げるように呑み込ませると、その身体に全力の拳を叩き込んで塵へと還したわ。

 竜巻が消えた後に残されていたのはドロップ品の魔石と何か特殊な金属らしき物体。


 前から思ってたけどこの子、どんなエグい事言ってもとりあえず語尾に『ですわ』と『ですの』を付けとけばお上品になると思い込んでる節があるわよね?



「ふん、わたくしに楯突くからこうなるのですわ」


 拳を天に突き上げる令嬢らしからぬポーズで勝利宣言するリリアーゼ。


 あの子が必殺技である【葬黒(ソウコク)】使ってから戦闘終了までにかかった時間はおよそ5秒。



 ……なんか『30秒でケリがつくわ(キリッ)』とか言ったせいで私の目が節穴でした、みたいなオチになってしまったわ。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 レベル上げ後リリアーゼ≒原作大ボスリリアーゼ>>リリアーゼ+アクアル≧キルリス>レベル上げ後アクアル≒リリアーゼ≒幻竜王>溶岩魔人>アクアル>レベル上げ後ロゼ>>ロゼぐらいのイメージで書いてます。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 もし宜しければブックマーク、評価、レビュー、ご感想、リアクション等をして頂けると作者のやる気が爆上がりしますので、少しでも面白い、続きが読みたいと思った方は宜しくお願い致します。

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