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クレイジーレズと呼ばれた少女、自分が戦闘あり乙女ゲーの大ボス悪役令嬢だと気付いたので開き直って今世で推しのサブキャラメイドを愛でる  作者: エスツー
第一章 覚醒編

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第18話 必殺技とは必ず◯してこそなのですわ!

 扉を開けてすぐさまわたくし、お姉様、ロゼの順でボス部屋に身を滑り込ませましたわ。

 そこで待ち構えていたのは赤と橙が入り交ざったヘドロのような溶岩を全身に張りめぐらせた3m超えの巨人。


溶岩魔人(ラヴァル・ゴーレム)】。


 灼熱の炎を撒き散らすブレスに加えて己の質量と纏った熱量を叩きつける強烈な打撃。

 近距離及び遠距離共に隙がない、この第4階層を守護するボスの名に相応しい強敵ですわ。 


 まぁ、原作ゲームでは中ボスであるアクアルお姉様とグレンお兄様コンビの前座として戦う小ボス扱いなのですけれど。

 とはいえ単体で出てきてボスをやってる以上、二人でボス扱いのお姉様単独よりは強いと見るべきですの。


「ボオオオオオオオォッ!」


 部屋に入ったわたくし達を認識した溶岩魔人(ラヴァル・ゴーレム)は大きく息を吸い込むといきなりそのくっそでかい口から灼熱のブレスを吐き出してきやがりましたわ。


 少しはボス戦前の余韻とか、そういう物はないんですの?

 風情がありませんわね!


「【黒風(クロカゼ)】」


 対するわたくしが唱えたのは目の前に竜巻を発生させる魔法。

 闇の魔力を帯びた黒色の風が巨大な渦となって前方10m程の距離に現れ、迫り来る炎を受け止め散らしましたわ。


 竜巻の後ろ側にいたわたくし達3人は当然無事ですけれど、その範囲外は凄まじい熱量によって地面が黒く変色してやがりましたの。


 わたくしがあまりにも強靭無敵すぎて感覚が麻痺しがちになりますけれど、普通に洒落にならない威力ですわね。

 たぶんグレンお兄様がそれなりに力を込めて放つ炎属性(闇混じり)の魔法ぐらいはありますの。


 3階で野営している冒険者達が4階には近寄ろうとしない訳ですわ。


「【激流打破(ハイドロカノン)】!」


「ギュオオオオオオォッ!?」


 ブレスによる攻撃が止んだのを見計らってお姉様が強烈な紫色の水流をぶっ放す魔法を溶岩魔人にぶち込みましたわ。

 この攻撃は相当効いたようで溶岩魔人は奇声を上げながら水蒸気を放出し、急激に冷やされた事で溶岩でできた身体が固まって苦しんでやがりますの。


 ちなみに原作ゲームだと水と炎は対立属性となっており、対立属性に攻撃をする場合、ダメージが2倍となるシステムでしたわね。

 なので水属性(闇混じり)のお姉様をメインアタッカーにする案もなしではないのですけれど、逆に溶岩魔人の攻撃が彼女に当たった場合、一発でお亡くなりになりかねないので、結局わたくしが決めるしかないのですわ。


「おらぁっ!ですわ!」


 わたくしは苦しむ溶岩魔人の懐に潜り込み、ミスリル製のナックルダスターを装備した拳を叩き込んでやりましたわ。

 わたくしの強烈な拳を受けた溶岩魔人は無様にもその固まった溶岩でできた身体に巨大なヒビが入りましたの。

 ですが当然これだけでは終わらせませんことよ?


 わたくしはそのまま溶岩魔人の身体を右の掌で引っ掴んでやりましたわ。


「あっつ!?何しやがりますの、この無礼者!」


 お姉様の魔法を受けて身体の炎が消えてるから大丈夫かと思いましたのに、普通にくっそ熱いですわ!

 もう謝っても許しませんわよ!


「お別れですわ!【黄泉ノ門(よみのもん)】」


 引っ掴んだ溶岩魔人を黒の風が覆い、そのまま巨大な竜巻となって溶岩でできた巨体を反撃すら許さず、ズタズタに切り刻んでいきますわ。


 わたくしの必殺技の一つ、黄泉ノ門(よみのもん)


 原作ゲームでは単体に超ダメージを与えるシンプルな技ですけれど、ここはゲームではなく現実なのでそのまま生き絶えるまで続けてやりますの。


 必殺技とは必ず殺してこその必殺。

 相手を殺せなかったのならそれはその時点で必殺じゃねーのですわ。


 力尽きた溶岩魔人の身体が塵となって消え、ドロップ品の魔石とミスリル銀の塊、炎属性の攻撃を軽減するフレアアンクルが残りましたわ。

 属性軽減の装備は高値で売れる事もさながら、この後行う作業の保険にもなるからラッキーですわね。


「……っ!」


 溶岩魔人が消滅してから数秒後、一瞬胸の奥が痛み身体がぐらりとふらつきましたわ。

 魔物の魔力を吸収した事による成長の痛み、いわゆるレベルアップですの。


 このダンジョンに入ってからわたくしとお姉様は二日かけて3回ほどレベルがあがりましたけれど、ボスは1体倒しただけでこれなのでやはり経験値効率は雑魚とは格別ですわね。


「アーゼちゃん……!」


 胸の痛みがおさまった頃に後ろからロゼが悲壮な表情を浮かべつつ、よろめきながら近付いて来ましたわ。

 彼女は元々のレベルが低かった事からおそらくわたくし達以上の痛みをその身に受けているのでしょう。


 ふらつきながらも歩みを止めないその健気な姿を見ているとついムラムラして蹂躙してやりたくなってしまいますわね。


 わたくしがそんな事を考えてるとはつゆ知らず、わたくしの腕を取ったロゼは掌の火傷を見ると卒倒でもしそうな顔付きになりましたわ。


「アーゼちゃんの綺麗な手が……すぐに治療しますから!」


 そういって肩にかけた収納鞄を開けて中を探り始めるロゼ。

 この子、本当にわたくしに媚びを売る天才ですわね。


 治療はお姉様にやらせようと思ってましたけれど、こうやってロゼに心配され(るフリをされ)て、手厚い奉仕もとい看護をさせるというのも悪くありませんわ。

 むしろフェイバリットですの。


「その必要はないわ。【水癒(アクアヒール)】」


 お姉様はロゼが取り出した包帯とポーションを使うのを止めると、わたくしに治癒魔法をかけてあっさりと治してくれやがりましたわ。

 ちょっと、せっかくロゼが媚びを売ってきたというのに何をしてくれやがるんですの!?


「さすがアクアル様です!」


「ポーションは高いし、治りも遅いから。怪我をした際の治療は基本的に私がやるわね」


 ロゼはお姉様を尊敬の眼差しで見つめていますけれど、わたくしからすれば余計な事をしやがりくださいましてと言わざるを得ないのですわ!


 ……まぁ、こういう世話焼きな一面もあるからこそ、このわたくしに対してくっそ生意気な口をきくお姉様を憎めないというのもありますけれど。



「それじゃ、ボスも倒した事だし3階層に戻りましょうか。また復活でもしたら洒落にならないわ」


「そうですね。あたしは何もしてませんけれど、まだ心臓がバクバクしてます……」


「お待ちなさいな、あなた達」


 さっさと道を引き返そうとするロゼとお姉様に声をかけますの。

 わたくし達のレベル上げはここからが本番だというのに呑気なものですわ。


「もしかしてこの先に進むつもり?そんな事をしたら帰り道にまた溶岩魔人と戦わなくちゃいけなくなるのよ?」


「先には進みませんわ」


 雑魚狩りのステージを5階層から8階層の上げたところで得られる経験値量は大して変わりませんもの。


「この第4階層を新たなキャンプ地としますわよ!さぁ、テントの準備をするのですわ!」


「……」


「……」



 ……二人から狂人でも見たかのような引き攣った目付きで見られましたわ!





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 高難度ダンジョンのボスを倒すのはAランク級の冒険者達でも命懸けになるので基本は挑まずに低階層でチマチマ稼ぐのが主となっています。


 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 もし宜しければブックマーク、評価、レビュー、ご感想、リアクション等をして頂けると作者のやる気が爆上がりしますので、少しでも面白い、続きが読みたいと思った方は宜しくお願い致します。

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