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クレイジーレズと呼ばれた少女、自分が戦闘あり乙女ゲーの大ボス悪役令嬢だと気付いたので開き直って今世で推しのサブキャラメイドを愛でる  作者: エスツー
第一章 覚醒編

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第13話 大胆な告白は女の子の特権ですの

 アクアルお姉様の手によってロゼをお姫様抱っこされてしまうというNTR?行為により脳が破壊され頭を抱えて悶絶するわたくし。

 そんなお姉様はロゼをちょうど良い岩に座らせると、少し離れた場所(とはいえ5m程度ではありますけれど)まで歩いていき、そしてわたくしに向かって手招きしてきやがりましたわ。


 フン、そっちがその気なら喧嘩ぐらいいくらでも買ってやろうじゃねぇですの!


「ねぇ、リリアーゼ。取引をしない?」


 わたくしを呼び寄せたお姉様から掛けられた言葉は想像とはだいぶ違う物でしたわ。


「はぁ?取引……ですの?」


「あなた、私にロゼが抱かれるのを見た時、そのまま憤死しそうな顔してたわよね」


 おいィ?抱かれるって言い方してんじゃねーですわよ!

 ほんとにわたくしのロゼがNTRされたみたいに聞こえるじゃねぇですの!


「おそらく今日1日、ロゼは強い魔物共の魔力を吸収した反動でまともに動けないままでしょう。私の取引に応じるなら3階のセーフティエリアに付くまでの間、彼女を支える役割を任せてもいいわ」


「受けますわ」


 迷わず即答しましたわ。


 急激なレベルアップによる反動が持続し続けるなんて事はダンジョン探索の初日でしか起こり得ない、つまり時期限定イベントと言っても差し支えありませんの。

 つまるところお姉様の取引に応じれば無防備なロゼをお姫様抱っこし放題という事訳ですわね。



 そしてお姉様から取引の条件を聞いて……わたくしは愧死しかけましたわ。



 ◇



「申し訳ありません。あたしの事でアクアル様とお話されてたんですよね?」


 取引を終えてロゼのところに向かうと、彼女はしょんぼりとした様子で詫びを入れてきましたの。

 足を引っ張る以前にそもそも身動きがでとれなくなってる事を気に病んでいるのでしょうけれど、残念ながら今のわたくしに追い討ち……ではなくフォローを入れてやれるほどの余裕はないのですわ。


「ねぇ、ロゼ」



 意を決して言葉を紡ぎますの。



「月が……綺麗ですわね」


「え?」


「雨が止みませんわね」


「はい?」


「わたくし、あなたがいなくなる一日前まで生きたいと思ってますの」


「……?」



 ああああああ死にてぇですの!



 お姉様との取引の内容は自分の前でロゼに愛の言葉を送れという言ってしまえば嘘告白、おふざけの罰ゲームのような代物でしたわ。

 学生か!……そう言えば学生でしたわね、お姉様。


 それでわたくしは彼女に内容が正しく伝わらないよう、可能な限り遠回しな表現をしたのですけれど、ひたすら滑り倒す芸人のようになってしまいこれはこれで別ベクトルに恥ずかしいのですわ!


 お姉様の方に目を向けると案の定、口元を抑えて笑いを堪えていやがりますの!

 ぶち◯しますわよ、メス豚ァ!!


「ええと、今はダンジョンの中なので月が出ているか、雨が降っているかは分かりませんが––––」


 ロゼ、返事は返さなくていいんですのよ!?

 そもそもダンジョンに入ってまだ1時間も経過してないのだから月は当然として、おそらく雨も降っていませんわ!


「あたしはアーゼちゃんが許してくださるなら、いつまでもお側にいたいと思っています」


 そう言って、ロゼは頬を染めながらもわたくしに向かってニッコリと微笑んでくれましたわ。


 ……あ、もう無理。

 ご機嫌取りの類だと分かっていてもあまりにも尊すぎますわ。


「あ、アーゼちゃん?」


 困惑するロゼをよそにぎゅーっと、彼女の身体を抱きしめましたわ。

 はぁ……すこですわ。



 その後は約束通り、3階のセーフティエリアまでわたくしがロゼを守る事になりましたわ。

 一人で必死こいて戦うお姉様を肴にしながらロゼをお姫様抱っこして過ごす時間は至福の一言でしたわね。


 間近で見られる端正な顔立ち、首筋に感じる甘い吐息、そして右手に伝わる黒タイツごしの太腿の感触、これでしばらくはオカズに困りませんの。

 彼女にミニスカメイド服を着せる采配をした過去のわたくし、グッジョブですわ。



 ◇



 5時間後、わたくし達は3階のセーフティエリアに辿り着きましたわ。

 すでに何組かの冒険者パーティが野営の準備をしているようで、夜食の美味しそうな匂いが漂ってきますの。


 ちなみにセーフティエリアについてなのですけれど、この世界のダンジョンはボスがいる階層の手前の階段と階段がある部屋一つがまるまる安全地帯となっていて、そこでは魔物達の脅威に脅えず過ごす事が可能なのですわ。


 補足情報として高難度ダンジョン『最果ての回廊』は全15層でボスがいるのは4階、9階、14階の3層。


 何故そんな中途半端なところにボスがいるのかというと、原作ではこのダンジョンでわたくし達バレスチカ家の人間がシャルロット達をそれぞれ5階(お兄様とお姉様)、10階(お父様)、15(リリアーゼ)と、ボス部屋の次の階層で待ち受けていたからですわね。


 リアル基準で考えると戦力をわざわざ3つに分けて各個撃破されるのは意味不明なのですけれど、その辺りはゲームだからで納得するしかないのでしょう。



 ま、ダンジョンの説明はこのぐらいにしてわたくし達も着々と野営の準備をしていますわ。

 収納鞄から取り出したテントと作業机を組み立て、火属性の魔石を動力源に使用するコンロ、水属性の魔石を動力源にした飲用の水を生み出す取り付け型の携帯蛇口、鍋、包丁にまな板、加えて食材と手際よく用意していきますの。


 にしても収納鞄を筆頭に、野営の技術に関しては地球を完全に圧倒していますわね。

 土属性の魔石を使用する使い捨ての携帯型エチケットルームもある事ですし、ファンタジー小説でツッコミたくなる要素であるダンジョン内での排泄はどうすんの問題を気にしなくていいのは非常に助かりますわ。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ダンジョンには入場料があるので冒険者達は基本、日帰りではなく何日か泊りがけで稼ぐ事が多いようです。


 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 もし宜しければブックマーク、評価、レビュー、ご感想、リアクション等をして頂けると作者のやる気が爆上がりしますので、少しでも面白い、続きが読みたいと思った方は宜しくお願い致します。

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