表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

不幸な観測者Sheet5:詠唱魔法

「エル、今の声は?」

アキラが問いかける。

魔道具(パソコン)。エクセルに喋らせた」

エルはどことなく自慢げに答えた。

「そんな事も出来るの?私、そんなメニュー見たことない」

育美がつぶやく。

「[Excelのオプション]の中に[クイックアクセスツールバー]というのがあって、[リボンにないコマンド]を表示させると普段あんまり使わない機能が色々出てくるよ。その中にあったのこないだ見つけたんだ」

エルはPCを操作しながら育美に説明した。


「なるほど、マクロで時間を設定しておいてそれを喋らせればいいわけか」

薔薇筆が補足を入れる。

「警察が現場に駆けつけた際にパソコンは消えてたそうですが…」

石森が言う。"仮定の話"というのが空々しくなって来た。

「マクロの作りは…えっと…アキラ、ホワイトボードに書いてくれる?」

キー入力はブラインドタッチで早いエルだが、手書きの文字はまだまだ拙い。


1.指定した時刻にマクロを実行

2.セルの読み上げ

3.PCのシャットダウン


「1番はモリワーキー教授も使ってたOnTimeメソッドね」

「何ですか、そのモリワーキー教授ってw」

薔薇筆が自分のハンドルネームを棚に上げ尋ねる。

育美は後で教えるからと黙らせた。

「で、次がさっきのセルの読み上げ。どのセルでもいいから言わせたい事を書き込んでおいてマクロで指定します。後はPCのシャットダウン。普通はファイルを保存するか聞いて来るけど、そうならない様設定します」

「でもさ、パソコン立ち上げたらそのマクロを書いたファイルが見つからないか?」

川口が疑問を口にした。

「いえ、最初にマクロ作り始めた最初から一度も保存しなければファイルは存在してません」

「そんな事が…可能なのか」

石森も意外だったようだ。


それからエルがつくったマクロで実証してみせるのにさして時間はかからなかった。

あいにく店にはアレクサは置いてないので、

「グッさん、ドアの鍵を開けて」

と喋らせた。

川口は黙って店の出入り口まで行くとドアの鍵を開け締めして戻って来た。

ロボットの様なギクシャクした動きだ。

アキラが吹き出す中、PCはシャットダウンした。

以下はテキスト読み上げからシャットダウンまでのサンプルコードです。

実行に際してはいかなる損害に対しても自己責任でお願いします。

Sub pc_shutdown()

'セルA1の内容を読み上げ

Selection.CurrentRegion.Select

Range("A1").Activate

Range("A1").Speak

'PCシャットダウン

Dim objsystem As Object

Set objsystem = CreateObject("WScript.Shell")

objsystem.Run "shutdown -s", 0, False

Application.Quit

ThisWorkbook.Close SaveChanges:=False

End Sub

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ