低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 95
「遅れてすいません!」
「良いわよ私達も見ての通りこれから食事だから」
私服の皮のジャケットを着たラーナはいかにも申し訳ないというように椅子に座ったばかりのアイシャの正面に腰を落ち着けた。
「どうせ命令の範疇を超えた話になるんだからもう少し楽にした方がいいな」
「おい、カウラ。いつからそんなに話が分かるようになったんだ?」
要の皮肉にこめかみをひくつかせながらカウラは誠の隣の席に腰掛ける。
「話が分かるも何もベルガー大尉には本当に感謝ですよ。東都警察機動隊から警察のサーバーにアクセスできればかなり詳細な分析結果を見れますから」
「機動隊?サーバー?」
突然のラーナの言葉に誠は咥えていたソーセージを落とすところだった。
「機動隊の隊長をしているカウラちゃんの友達のエルマさんがいるでしょ?その人にお願いしたら上には内緒と言うことで手配してくれたのよ」
「でも良いのかねえ・・・機動隊のパスでサーバーに入るってのは本来拙いんじゃないのか?」
うどんの汁を飲み終えた要の一言に周りが凍りつく。
「要ちゃん・・・正気?」
「いつものことだ。自覚が無いんだろうな。自分が命令違反ばかりしていることについては」
アイシャとカウラの皮肉に明らかに気分を害したと言うように要は立ち上がるとどんぶりを持って厨房に向かう。
「でも・・・東都警察の本部に行くんですよね。パスとかは大丈夫なんですか?」
今度は誠の言葉にアイシャ達はきょとんとした顔で誠の顔を見つめた。
「馬鹿だろオマエ。うちの冷蔵庫から機動隊のパスで警察のサーバーにログインしてそのまま今回の事件のアストラル波動計測のデータを覗くんだよ」
「それとこれまで何度か警察も私達の知らないデータを隠しているでしょうからそちらも見てみようと言うわけ」
要とアイシャの言葉に今ひとつ納得が行かないまま誠は静かに味噌汁を飲み始めた。




