低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 92
「神前のおかげだな」
豊川署の狭い部屋に戻ってアストラルパターン解析の結果を見てカウラは頷いた。
「神前曹長のパターンは特徴的ですからね。それに反応して確かにこの部分で別の法術師の反応パターンがあるわけですから・・・」
ラーナは端末の画面を指差してニヤリと笑う。その表情に誠も安堵の息をついた。
「あの場所に間違いなく法術師、しかも特殊な能力を持った人物がいたわけだ・・・」
「近くの防犯カメラの映像。これを証拠に開示を頼むことはできないの?」
要もアイシャもすっかり乗り気でラーナを見つめる。
「任意になるでしょうが・・・事件が事件ですからね。自治会とかには私が手を回しておきますよ。まあ私達でなく所轄の仕事になると思いますが」
「まあな。何台有るか分からんがそれなりの数があるだろうからな。それとアタシ等が歩き回って見つけた要注意人物と照らし合わせればかなりの確立で容疑者を絞り込めるんじゃないかな」
「希望的観測だな」
「うるせえよ!」
ようやく活気が戻ってきた要。それにからむカウラの表情も明るい。誠もこれまでの手探りで何もできないと思っていた自分達の手に入れた手柄にわくわくしていた。
その時不意にドアを開くものがいた。
「あの・・・」
それは杉田と言う署長の腰ぎんちゃくだった。
「なんですか?定時を過ぎたら帰ってくれとか言うんですかね」
珍しく強気に構えるラーナ。だが杉田は首を振って否定した。
「いえ、証拠が揃ったのは知っていますから」
その言葉に誠は嫌な予感がした。
「証拠が揃った?まだ容疑者も・・・」
「容疑者が自首して来ましたから」
杉田の突然の言葉に誠達は呆然として立ち尽くしていた。




