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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 89

 二日目は冷たい雨。それでも誠達のアパートめぐりは続いていた。


「カルビナはたいしたものだな」 


 ビラを見せたとたんに怒鳴りつけられたラーナ。酒臭い息を吐くアパートの住人に頭を下げて最後には一階の同居人が不審そうだと言う情報を手に入れた彼女に感心したようにカウラはスポーツカーの運転席でエメラルドグリーンの髪をそろえなおしていた。


「これも仕事ですから。それにこれで15件ほどターゲットは絞れて来ましたね」 


「でもまだ全体の50パーセントくらいしかまわっていませんよ」 


 誠の言葉に納得したように頷くラーナ。そしてカウラが駐車場から車を出そうとした瞬間に緊急用の端末が起動して事件の発生を告げた。


『豊川駅東口で傷害事件発生!各員現場に急行せよ!繰り返す・・・』 


「どうしますか・・・」 


 誠の顔を見るとすぐにラーナは自分の端末を起動させる。すぐに近くの防犯用のカメラの映像が捉えられた。


 そこには右肩を握り締めて転げまわる男性の姿が映っていた。よく見るとその隣にはちぎれたばかりの腕が転がっている。


「決まりだな」 


 答えを待たずにカウラは車を発進させた。ラーナも淡々とダッシュボードからパトランプを出して窓を開いて屋根につけた。


「法術関係なんですか?」 


「ともかく傷害事件。しかも腕を切り落として犯人が周りにいないなんて法術関係の可能性が高いですから」 


「そういう事だ」 


 ラーナもカウラも乗り気で車を目的の駅前に向けて走り出させていた。


『おい、そっちも現場に向かうのか?』 


 画面が開いて要の活気に満ちた表情が目に飛び込んでくる。


「こういう時は生き生きしているんだな」 


『余計なお世話だ』 


 要の言葉にこちらも妙に生き生きしているカウラは車を緊急速度で走らせて行った。



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