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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 87

「そう・・・だったな」 


「私はどうも・・・」 


 駐車場にハンドルを切ろうとしたときに助手席のラーナが思わずカウラの左手を押さえた。


「地球人の顔は見たくないか・・・」 


 ラーナの言葉を聞くとカウラはそのまま運転席の窓を開ける。


『いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ』 


 明るい店員の女性の声が響く。ラーナはなぜかうつむいたまま自分の端末を呆然と眺めていた。


「全員Aセットでいいな・・・じゃあAセットを三つ。ドリンクはブレンドコーヒーで」 


『かしこまりました。Aセット三つ、お飲み物はブレンドですね』 


 明るい声だが、誠もなぜか相変わらず違和感を感じていた。


「見ただけじゃ分からないのに・・・やはり壁は感じますね」 


 そうつぶやいた誠に情けないと言うような笑顔で答えるラーナ。彼女は遼南難民出身で純血の遼州人だった。誠も名前こそ日本風だが遺伝子検査では地球人との混血はほとんど無いと判定されていた。


「人はそれぞれ違うものだと言うが・・・あれだけ違うとな」 


 カウラがそう言ったのは最後のアパートの男子大学生との会話を思い出したからだった。


『迷惑なんですよね・・・法術適正?そんなの受けなきゃいけない化け物に生まれたつもりはありませんよ』 


 無精髭が目立つ小太りの男子大学生はそう言うとラーナが差し出したチラシを受け取らずにドアを閉めた。まるで自分は関係なく、地球人の直系の人種だと言うことを特に証拠もなく信じている若者が増えていることは誠も知っていた。だがそれにしてもその死んだように誠達を見つめる目には分かっていても衝撃を受けていた。


「近くに運動公園があるな。そこで食べるか」 


 そう言いながらカウラは商品の受け取り口のある店の裏手へと車を進めた。




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