低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 83
「失礼して・・・」
そう言うと慣れた手つきで中央のテーブルに腰をかけたラーナは手持ちの端末の立体画像表示システムを起動した。すぐに近隣の交番のデータがオープンになり、その近辺のアパートの状況を表示する画面が移る。
「まあ、一番早い方法はこれですね。各交番にアパートやマンションを訪問する指示を出します」
「良いのかよ・・・簡単に言うけど」
「ええ、防災関係の書類を持たせて訪問させる形をとりますから」
要の不安そうな顔に淡々と答えるラーナの顔が面白くて誠が噴出しそうになる。それに殴るポーズをする要。それを無視してラーナは端末の画面を切り替えた。
「現在15万件分のアパートやマンションが対象になりますが、星が法術適正のある人物と仮定した場合、正直あまりいい物件には出会わないでしょうから・・・」
そう言うとすぐに画面が検索中のものに切り替わる。そして豊川市内の地図に赤い点と青い点が点滅する画面へと切り替わった。
「この赤い点がかつて警察が捜査のために入ったことのあるアパートやマンションです。一方青いのが捜査を受けていないマンション」
「あれか・・・あまり入居者を選ばない物件の方が当たりを引く可能性が高いということか?」
「ベルガー大尉。さすがですね。悲しいですが入居条件の緩いところのほうが犯罪発生率は高いですから。そこでこの赤い物件に関しては直接私達が訪問します」
ラーナはそう言うと今度は地図から表へと画面を切り替える。
「おい、ラーナ。ずいぶん簡単に言うけど・・・」
「西園寺大尉も心配性ですね。この前の同盟厚生局の事件に比べたら調べる範囲は半分以下ですよ」
思わず笑いを漏らしているラーナ。アイシャも納得がいったように腕組みをしながら頷いている。
「当然分かれての捜査になるな」
カウラはそう言うと誠達を見回した。
「西園寺と神前。それにカルビナで回ってくれ。私とアイシャで行動することにする」
「えー!なんで私とカウラちゃんなの?」
「お前はサボるからな、ほっとくと」
そう言ってカウラは端末にラーナの情報をダウンロードしていた。




