低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 82
「それじゃあ・・・決まったわけだから行こうじゃねえか」
要はそう言うと東都警察の紺色のジャンバーを肩に突っかけるようにして立ち上がる。とりあえず誠達が始めたこと。それは新規の住民登録を行なった人物をすべて見て回ると言う地道な行動だった。
「しかし・・・本当にお巡りさんは大変よね。拳銃とショットガンだけ?」
「ゴム弾入りの非殺傷弾入りだ。しかも一発撃ったら始末書一枚だそうだ」
アイシャもカウラも顔色は冴えない。保安隊の丙種装備よりも落ちる装備に不満を言いたい気持ちは誠にもよく分かった。
「でも停戦協定違反の警備じゃないんですから・・・実弾は・・・」
「オメエは租界で撃ちまくらなかったか?」
「撃ちまくるのは誠ちゃんじゃなくて要ちゃんでしょ?誠ちゃんの下手な鉄砲を撃ちまくられたら私も困るわよ」
入り口に立ってニヤニヤ笑っている要を押しのけるようにしてアイシャはそのままドアを出た。そしてそこで何かとぶつかってよろめく。
「ごめんなさい・・・ああ、ラーナちゃん」
大柄なアイシャはよろめく程度で済んだが走ってきた小柄なラーナは廊下に倒れてぶつけたひじをさすっていた。
「あまり廊下は走るものじゃないな・・・」
「すみません!ベルガー大尉!」
カウラを見つけてすぐに立ち上がって敬礼をするラーナ。さすがに司法局法術特捜本部の捜査官と言うこともあって警察の制服はしっかり板についている彼女を誠はまじまじと見つめた。
「神前曹長・・・」
「ああ、こいつは巡査部長だそうだ」
「そうなんですか?」
ニヤニヤ笑っている要から話を聞いてラーナは少しばかり得意げに誠を見上げていた。




