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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 80

「続けろったって・・・よう」 


 要はそう言うと再び酒の入ったグラスに手を伸ばす。吉田はそれを奪い取った。むっとした表情の要だが、すぐに彼女はいつもどおりつまらなそうに視線をそらすとそのまま立ち上がろうとする。


「酒に逃げるんじゃないって話だ。限界なんだろ?通常の捜査なら・・・」 


「令状無しじゃ何にもできねえんだよ!星は確実に東都都心からこっちに移って来た!しかもこの一月の間でだ!そこまでわかっていながら・・・」 


 そこまで言うと悔しそうにどっかりと腰を下ろす要。同じようにカウラとパーラが頷きながら唇を噛み締めていた。


「まあな。一発で犯人を絞り込むには転居関係の情報を閲覧してついでに住民票を確認、そして特定した容疑者に聴取をたのんで・・・と言うのが定番だが・・・どれも今は無理だな」 


 あっさりと言う吉田。誰もがハッキングのプロで彼なら警察上層部に知られずに楽に不動産取引のネットワークに侵入して情報を得ることができることは知っていた。だがまるで関心を示していない以上、それから先はやるつもりがないことはすぐに理解できた。


「たまには足を使うことも必要だって嵯峨の親父に言われてね。できるだけヒントを与えるだけにしろって」 


「叔父貴が?アイツはサドだな」 


 要の言葉にサラとシャムが目を合わせて噴出す。要がにらみつけるが迫力不足のようで二人は相変わらず笑い続けていた。


「大変みたいね・・・私のおごり」 


 厨房から出ていた春子が刺身の盛り合わせを持って現れた。


「いいんですか?」


 誠の言葉に笑みを浮かべて春子が頷く。母親の甘さに鉢の中を嘗め回すグレゴリウスを眺めていた小夏がいつものように要をにらんだ。


「ええ、色々大変なんでしょ?でもいつでも吉田さんや嵯峨さんの力を借りてばかりじゃ駄目でしょうしね」 


「あー!頭にきた!」 


 そう言いながら要は立ち上がると厨房から取り皿をとるとそのまま一同に配り始めた。




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