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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 8

「何だ茜か?暇なのか?」 

「いいえ、要さんとは違って昨日から徹夜ですの」 

 上品そうにそう言うとそのまま取調室が見えるガラス越しまでやってきて中を覗き込む女性。

 要の従妹で誠達の所属する『保安隊』隊長、嵯峨惟基特務大佐の娘である同盟司法局法術特捜の主席捜査官嵯峨茜警視正だった。いつもどおりに表情を変えずに中を一瞥した後ついてきた補佐官のカルビナ・ラーナが手にした捜査器具を取り出した。

「なんだそれ?」 

 要の質問にラーナは顔を上げるがまるで興味がないというように視線をおろして取り出した器具の制御をする為に端末にコードをつなぐ。

 無視されて冷静でいられるほど要は人間ができていなかった。そのままつかつかとラーナに近づいて懐から取り出したコードを自分の首のジャックとラーナの端末に接続する。

「西園寺大尉!困りますよ」 

「うるせえ!」 

 茜は一瞥して困った顔のラーナに頷いて見せて要の情報収集を黙って許した。

「演操術師の特定か……それならつじつまが合うな」 

 『演操術』と言う言葉を聴いて誠もカウラも目を茜に向けた。

「面倒なことになりそうなのね」 

 アイシャがコーヒーを口に含んでその様子を眺めている。

「わたくし達が動く事件は大体が面倒なことなのではなくて?」 

 上品に答える茜にアイシャは手を広げて知らぬふりと言うような態度を示して見せた。

「確かに……今回も面倒なことになりそうだな」 

 カウラはそう言うと静かにコーヒーをすすった。



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