低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 78
「はい!グリンのおやつですよ!」
そう言うと小夏は入り口になにやら赤いものが入った鉢を置く。すぐに顔だけ出していたグレゴリウスはそのままシャムの足元に顔を持ってきて鉢の中に頭を突っ込んだ。
「やっぱり動物がご飯を食べるのは和むわねえ」
「和んでる場合かよ」
アイシャの言葉に思わず要は突っ込みを入れていた。だがシャムとグレゴリウスの闖入でそれまでの重い空気が吹き飛んだのは事実だった。
「そう言えば、中尉。基地からここまで歩いたんですか?」
「アホか・・・そうか!吉田はどこだ!」
要が立ち上がるとパーラとサラも立ち上がった。そしてそのまま三人は二階の座敷に駆け上がっていく。そんな三人を確認すると静かにシャムの背後から吉田が現れた。
「あいつ等馬鹿じゃねえの?いつも俺が二階に現れるとは限らないんだよ」
「吉田少佐・・・日ごろの行いじゃないんですか?」
カウラに言われて頭を掻きながら吉田はどっかりと椅子に腰掛けた。
「どうだい、捜査の方は」
突然吉田から聞かれてため息をつくアイシャ達。
「まあ慣れない捜査活動だ。成果が出る方がどうかしてる・・・って言うけど茜のお嬢さんも前回の厚生局の件で味をしめたからなあ・・・そうそういつもいい結果が出るわけじゃないのに」
そう言うと吉田はアイシャの頼んでいた新しい烏龍茶を手にして飲み始めた。
「分かっているなら教えてあげたらどうなんですか?」
「人っていうやつは失敗をして学んでいくもんだよ。あの人も多少は痛い目に会わないと」
カウラに聞かれて答える吉田の顔は少しばかり悪戯をした子供のような雰囲気があった。




