低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 61
得意げな要。それとは対照的に誠もカウラ、そしてアイシャもぽかんと彼女の笑顔を見つめた。
「要ちゃん・・・出て行くのね・・・。うるうる」
「勘違いするんじゃねえ!賃貸契約の全容を把握するんだ」
要はそう言うと今度はポケットからコードを取り出し自分の後頭部のジャックに差し込んで端末とつながる。意識が途切れたように首が折られるがそのまま画面には検索モードの様子が映っていた。そしてそれを見てカウラが手を叩いた。
「そうか。法術師が部屋を借りれば足が付くか」
「そう?検査なんて東和は任意じゃないの。法術適正を受けている人間が犯人と決まったわけじゃないでしょ?」
アイシャは半分期待はしていないと言う感じだが、その視線は明らかに要の検索の模様を眺めているものだった。
「法術適正を理解している人間の犯行だと僕は思いますよ。人の能力を横取りして発動させるんですから。法術に興味のない人物の犯行だとはとても思えないですから」
「でも最近東都の都心からこちらに引っ越してきた人間なんて山ほどいるじゃない。いちいち調べるの?」
「しかたねえだろ・・・235世帯か・・・所帯持ちは外しても156件」
要の言葉にうんざりしたと言うような顔のアイシャ。だが彼女の肩をカウラが叩いた。
「何万人と言う豊川市の人口から比べればわずかなものだ。四人で見回れない数じゃない」
「でもその中に犯人がいると言う保障はあるの?そもそも法術適正検査は匿名で行なわれてるのよ。その156人だって一人も法術師がいないかもしれないじゃない。いたとしても嘘をつかれれば・・・」
そんな言葉を吐くアイシャをケーブルを首から外した要が哀れむような目で見上げる。
「なによ・・・要ちゃん」
「お前。馬鹿だろ」
「馬鹿は要ちゃんでしょ?」
いつもの挑発合戦にうんざりした顔でカウラと誠は見詰め合った。




