低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 47
「ウォホン!」
初老の警部の咳払いに陰口をやめたアイシャと要だが、その目は完全に東都警察には法術師関連の事件捜査はできないと決め付けるような温かい目だった。
「じゃあわたくしにも見せていただけませんでしょうか?実地の検分等は済ませたんですわよね?」
茜が口を開くが猛烈なアルコール臭に警部は眉をひそめる。
「それはしらふに戻ってからのほうが・・・」
「これくらいはたしなむ程度ですの。それにこういう事件は初動捜査が犯人逮捕の鍵と言うのが信念ですから」
そう言うと茜はそのまま捜査官達がたむろしている階段へ向かおうとする。必死になって警部が止める。
「その・・・酔いが醒めるまで・・・少し仮眠を取ってから・・・」
慌ててしがみつこうとする警部の手が袖にかかるのを嫌うように茜は身を翻した。
「そうですわね。お酒が入っているのは事実ですものね。それじゃあ明日早朝にはお伺いしたいので資料などをそろえておいていただけません?」
「ええ、揃えますから!ですから!」
土下座でもしかねない相手に軽く笑みをこぼすと茜は呆然と突っ立っている誠達の所にやってくる。
「ベルガー大尉」
「は?」
「お部屋に泊めていただけません?」
突然の茜の申し出にぽかんと立ち尽くすカウラ。そしてその横ではニヤニヤ笑っている要とアイシャの姿があった。
「自分はかまいませんが・・・寮は狭いですよ。妹さんのお部屋はかなり・・・」
「あの子は駄目。知っているでしょ?あの子の性癖」
大きくため息をつく茜に誠達はただ同情の視線を向けるだけだった。




