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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 43

「どうした・・・事件か?」 


 要はそう言うとウォッカの入ったショットグラスをあおる。


「まあ法術特捜の捜査官はいまだに嵯峨警視正一人だからな。代わりがいないのはつらいんだ」 


 カウラの言葉に誠も頷く。同盟司法局と東都警察の関係は決して良好とは言えない。東都警察も半年前の『近藤事件』以来自分の能力を隠していた警察官に召集をかけて独自の法術犯罪対応部隊を設立し、さらに先月には一般からの法術師の応募にまで踏み切っているとはいえ、法術犯罪のノウハウのほとんど無い東都警察の法術師を同盟司法局が一本釣りで獲得することなど夢のまた夢の話だった。


「でも茜ちゃんだからいいのよね。私なんかあんなに飲んだら倒れちゃうわよ」 


「ありゃあ特別な血族だからな。楓も叔父貴も酒はいくらでも飲みやがる」 


 要の言葉にさすがのアイシャも同意するように頷いた。


 トイレから出てきた茜の表情はほとんど素面といっていい状態だった。


「すみませんけど豊川警察署までのタクシーを手配していただけません?」 


「普通のタクシーでいいんですか?できれば助手とかになってくれる人も乗れるような車のあてならありますよ」 


 紺色の留袖の襟元を気にしながら茜はアイシャに声をかけた。アイシャもあてがあるというように笑みを浮かべる。


「またパーラか・・・かわいそうだな」 


 要が同情するのも当然だった。運用艦『高雄』の火器管制官パーラ・ラビロフ中尉。アイシャやカウラと同じ人造人間の『ラスト・バタリオン』として生を受けた彼女だがそれ以上に隊員達には同情の目で見られる女性士官だった。


 ともかく運が無い。保安隊に配属されてすぐに問題となった『高雄』機関長槍田司郎大尉との関係。誠はあまり興味が無いが彼の上司の技術部長許明華大佐の態度から見てそれがかなり酷い態度を槍田が取ったらしいことは分かった。


 そしてなんと言っても当時操舵手だったアイシャといつでも行動を共にしていたのが運の尽きだった。


 趣味に関してはいくらでも暴走する。人使いの荒いアイシャとの腐れ縁は隊員達の多くが同情するところだった。


「いいじゃないの。あの子の車だって走って何ぼでしょ?」 


 さも車をパーラの運転で借りることが当然というような顔でアイシャは端末にパーラのアドレスを打ち込んだ。



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