低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 42
「本当に・・・一般論」
そう言うと茜はまた空になったグラスに勝手にウォッカを注いだ。
「あのなー。そんな強い酒割らずに飲んだら胃が焼けんぞ」
四人がけのテーブルに誠とカウラ、アイシャと座っていたランの言葉にうれしそうに茜が振り向く。
「だってせっかく蒸留して濃くなったアルコールですのよ。そのまま飲まないともったいないと思いませんの?」
「もったいないねー」
呆れたというようにビールを飲み干すラン。その子供にしか見えないのに浮かぶ苦々しい表情につい誠が噴出した。
「それにしても・・・いつもすいませんね」
「良いのよクラウゼさん。これで要さんがまたボトルを入れてくれれば助かるもの」
そう言って気を利かせて女将の家村春子がビールを運んできた。誠とランは二杯目。アイシャとカウラは相変わらず烏龍茶を飲み続けていた。
「なんですの?隠し事?今日はわたくしのおごりにしますからどんどん飲んでいただいて結構ですのよ」
「じゃあアタシの入れるボトルもか?」
要の一言にキッと目を向ける茜。
「すいません、警視正・・・」
「いいんですのよ。焼酎なら入れてあげる」
「アタシは焼酎は飲まないんだけどなあ」
急に機嫌が良くなる茜。多少はアルコールが回っているらしいのを確認してなんとなくうれしくなって誠はビールを飲みながらたこ焼きに手を伸ばそうとした時だった。
茜の通信端末が呼び出しの音楽を奏でた。
「ちょっと待ってくださいね」
そう言うと茜は周りを気にするようにして立ち上がりそのまま店の奥のトイレへと消えていった。




