低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 26
「どうだい、進んでるか?」
突然背中から声をかけられて誠はびくりと振り返った。
そこには部隊長嵯峨惟基特務大佐がいつものようにタバコをくゆらせていた。
「こー言うところじゃ火気厳禁じゃねーんですか?」
「厳しいねえ、さすが鬼教官殿だ」
ランの注意に仕方がないというように嵯峨は咥えていたタバコを落として踏みしめた。
「こう言う事もうちのお仕事だからさ。神前にも一応体験しておいてもらわないとね」
「体験・・・まるで遊園地かなにかに行くみてえだな」
「まーそんな感じに思えて来るねー、このぼんぼんにものを教えていると」
頷きあうランと要。誠は言っていることが間違っていないだけに少しばかり頭を掻きながら装填を終えた銃を手に取る。
「とりあえずどの銃でも基本は同じなんだ。狙って標的に当てる。簡単だろ?」
カウラの教えも射撃にコンプレックスを持っている誠には逆に堪える言葉だった。静かに冷静に。そう言い聞かせながらフォアグリップを引いて弾を薬室に叩き込む。
「ボスン」
引き金を絞ると何とか25メートル先の標的が銃撃を受けて揺れた。
「なんだよ当たるじゃねえか」
「叔父貴。そりゃあとまっている的だからな。これで外したら間抜けとしか言えねえぞ」
興味深げに標的を見る嵯峨に要はそうつぶやいた。
「でもさっきは外したよな」
再びのカウラの言葉にがっくりと誠は肩を落とした。




