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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 16

「それじゃあ私がその力を得ても良いわけだな?」 

 今度はカウラだった。説明するだけ面倒だと言うようにヨハンはニヤリと笑って頷く。

「まあそれじゃーいくらでも法術師は増えるわけだな」 

 ランのまとめで次の話題に移る所だが、すぐにヨハンは首を振った。

「違いますね。そここそが一番今回現れた犯人の能力である『他能力制御』の肝ですから」 

 そう言うとヨハンはモニターの画面を切り替えた。そこには各能力とその能力がどのように発動するかの図が載せられていた。

「多くの法術は視床下部のこの部分の異常活性化を原因としていると言う説が現在定説ですが、この……」 

「御託はいーんだよ。さっきの話の決着つけてくれ」 

 小さいランの一言に研究者としてのプライドを傷つけられたと言うように大きく深呼吸をするヨハンの姿は実に面白くて誠は噴出しそうになるのを必死にこらえた。それはすぐにヨハンに見つかり、冷ややかな視線が誠に集中した。

「手っ取り早く言うと法術師の法術発動の際の特殊な脳波は周りの人々の脳波にも影響を与えるんです」 

「で?」 

「逆に法術を常に待機状態にしている法術師に同じように脳波での刺激を与えれば法術は本人の意図と関係なく発現し……」 

「その脳波を発した人物。演操術師の意のままに発現するってーわけか」 

 ランの顔が引きつる。

「つまりあれか?ほとんどの能力の乗っ取りが可能なわけなんだな?」 

 珍しく真剣な表情の要。その問いにヨハンは大きくうなづいた。

「再生能力なんかの接触変性系の法術以外は発動可能です」 

「接触変性?」 

 シャムはそう言うと周りを見回す。しばらく頭を掻いた後で要がシャムの鼻を突付いた。

「お前や島田の再生能力のことだよ!再生や治療系の能力は直接触ってねえと駄目なの!」 

「ああ、そうなの!」 

 分かっているのか分かっていないのか分からない調子で元気よくシャムが叫ぶのが部屋に響いた。



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