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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 14

「さてと……いいですか?」 

 遼州司法局実力行使部隊ということで東和共和国の首都東都の西にある遼州を代表する大企業菱川重工業豊川工場の隣。そこにある保安隊隊舎の会議室。明らかに太りすぎている技術将校ヨハン・シュペルター中尉はボードを前に誠達にレクチャーを始めようとしていた。

 しかし会議室と言ってもほとんど多目的ホール扱いのこの部屋。来月に豊川市街で行なわれる予定の節分の行事のために用意された鎧兜が所狭しと並べられ、その合間には同じ日に上映される自主制作映画の為のコスチュームの入った箱などがてんでんばらばらに並べられている。

「あのなあ、ヨハン。ここで本当にいいのか?」 

 要がヨハンにしみじみとつぶやいた。ヨハンもとりあえず半笑いでそれに答える。

「しゃーねーだろ?他の部屋は雑兵衣装であふれかえっているんだからよー」 

 頭をペンで掻きながらランが答えた。ヨハンの授業に付き合うのは保安隊実働部隊の面々だった。

 第一小隊の小隊長のランはヨハンの隣に座って部下達を見つめている。その先には鼻と唇の間にペンを挟んで退屈そうにランを見つめている第一小隊二番機担当のナンバルゲニア・シャムラード中尉。そしてその隣でネットの海に直結した電脳デバイスの世界に逃避している明らかにやる気の無い三番機担当の吉田俊平少佐がいる。その隣、一人だけノートを持ってペンで何かを書こうとする神前誠。その両隣は第二小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉と西園寺要大尉が座っている。

「あのー説明始めていい?」 

「ヨハン、こいつ等のこと気にかけるだけ無駄だぞ。てきとーに話して終わりにしよーや」 

 投げやりなランの言葉に説明をするということでヨハンの低いテンションはさらに低くなる。

「じゃあ、はじめます」 

「はい!」 

 演操術について語ろうとした話の腰を見事に空気を読まないシャムが元気に手を上げてへし折った。

「なんだ?」 

「たぶんアタシわかんないから寝ててもいい?」 

 シャムの言葉にランは悲しげな表情で隣に座ってにやけている吉田に目を向けた。



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