低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 107
とりあえず黒い寝間着代わりのジャージを脱いで美少女戦隊モノのTシャツに袖を通す。
「はあ・・・吉田少佐の検索結果か・・・」
ため息をつくと今度はジーンズに足を通した。そのまま寒さに耐え切れずにセーターに袖を通す。一月も終わり。地球と同じだと言う公転周期を持つ遼州の日差しもなぜか冷たい。
そのまま廊下に出る。住人に整備班員の占める割合の高い寮は出勤時の騒動の中にあった。廊下を歩いても誠の隣を駆け抜けていく技術下士官が三人もいた。階段を駆け下りるのはとりあえずの演技。そしていつものように誠は食堂のドアにたどり着いた。
「遅い!遅い!」
カウラが珍しく大きな声で誠に叫ぶ。彼女の隣には要とアイシャ、そして都内のアパートから来たらしいラーナの姿もあった。
「緊張感が足りないんじゃないですか?」
ラーナのきつい一言に頭を掻きながらカウラ達の座るテーブルに席を確保する。
「結果は出たんですか?」
そんな誠の言葉にカウラ達は顔を見合わせた。
「法術適正があって時期的に豊川付近に移住している人物のピックアップはできたんだが・・・」
「でもだいぶ絞り込まれてきたじゃない。ローラー作戦とかをやると思えば労力は雲泥の差よ」
「まあ・・・確かにそうだ」
浮かない顔のカウラ。納得したようなアイシャ。要は今ひとつ納得できないと言うように腕組みをしている。
「ともかく対象はかなり絞られました。後はそれぞれのアストラルパターンを検出。そして符合した人物の行動を追っていけばいいんですよ」
「簡単に言うなあ、お前さんは」
ラーナの言葉に要が眉をひそめる。そして誠も今ひとつ理解できずについ朝食の乗ったトレーを持って珍しそうに自分達を眺めている島田と目があった。
「俺は・・・とりあえずしばらく無理だから」
「あてにしてねえよ」
気を利かせた島田の言葉に噛み付く要。なんとも雰囲気が良くないことで誠も少し状況が読めてきた。
「人数が多すぎるんですね」
その一言にラーナは端末の画像を誠にも見えるようにしてみせた。そこには15人の男女の写真と経歴が並んでいるのが見えた。




