表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の騎士は、還れなかったモブのリスを何度でも手中に落とす  作者: みん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/49

最終話

蒼の邸の裏庭の木陰で、セオドアとヴィオラとネロが昼寝をしている。


「この2人…本当に9歳と7歳か?寝顔は年相応だけど。」


「うん。セオは9歳だし、ヴィーは7歳で間違いないよ?リュウも知ってると思ってたけど…」


と、リュウ()の呟きにコテンと首を傾げるハル。


「あぁ、リュウもボケて来たのか?少し…早過ぎないか?」


そこに、俺に追撃を喰らわすエディオル。


ー本当に、エディオルはブレないよなぁー


「ボケてない。意味、分かってるだろう!?小学1年生と3年生の子供が、ここ迄魔力を上手く使()()()#事に感心してるだけだ!」


「あ、なる程。でも、それは、リュウの魔力の使い方の教え方が上手なんだと思うよ?ほら、私が記憶を失った時も、本当に分かりやすいな─って思ったから。」


と、ハルがニコニコと笑っている。


「そう言ってもらえると嬉しいけど……多分、ハルから受け継いだ魔力が、2人に馴染んでいるのも要因の一つだろうね。流石は、規格外(チート)な魔法使い様様だよ。」


「ふふっ。それが本当なら、チートに感謝だね?」


ハルが、本当に幸せそうに─穏やかに笑う。

その笑顔を見ると、俺も幸せな気持ちになる。


セオとヴィーも、本当に可愛い。甥や姪…孫の存在とは…こう言うモノなのか?と思う。

前世では結婚どころか彼女すらいなかった(今世もだけど)。

この世界で前世を思い出し、俺がした事は…本当に最低な事だった。そんな俺を赦してくれたハル。そのハルが幸せになった。本当に良かった──と、俺は寝ている3人の横に腰を下ろした。








「コトネ、今日もお疲れ様。」


「ディもお疲れ様でした。」


セオとヴィーが寝た後は、ディが夜勤以外の日は、ディの私室でお茶をする事がルーティンになっている。


「明日は王城に行くんだろう?一緒に行こう。」


「一緒に行けるのは嬉しいんですけど、時間は大丈夫なんですか?」


「大丈夫だ。王城に来るように誘って来たランバルト(本人)が、“家族4人一緒に登城して良い”と言って来たからな。」


「そうなんですね。ふふっ。セオとヴィーは、喜ぶだろうなぁ。」


明日の登城は、王太子様からのお誘いだった。

王太子様とミヤさんも予定通りに結婚して、ヴィーと同い年の双子の王子と王女がいるのだ。そして、有り難い?事に、その双子と我が子2人は幼馴染みである。あ、因みに、イリス様とベラ様にも子供が2人居て、セオとヴィーと同い年であり、こちらも幼馴染みだ。

その6人の子達が遊ぶ為?に、王太子様からお誘いを受けた─と言う訳である。


「────ヴィーを連れて行かないと駄目か?」


「ん?」


何故か、ディが唸る様に呟いた。


「えっと…連れて行ってあげないと、ヴィーは泣くかもしれないですよ?」


「─────分かっている。」


「??」


どうしたんだろう?と、ジッとディを見つめていると、軽く息を吐いた後困ったような顔をして


「──王子がな…ヴィーを()()()いるだろう?」


「王子?狙って??」


ー王子とは─双子の兄のリオン様の事だよね?リオン様がヴィーを狙うって…何?ー


「“婚約者はヴィーが良い”─って、ランバルトとミヤ様に言っているらしい。」


「婚約者!?え?まだ7歳だよ!?」


「あぁ…コトネの世界では有り得ない事かもしれないが、この世界では割とよくある話なんだ。特に上位貴族ともなれば…な。」


「あ…そう言えば、ディ達に婚約者が居なかったのは…聖女様絡みでしたね。えー…7歳で?」


ー早過ぎるよね?出来れば…恋愛結婚をさせてあげたい!ー


ムウッ─と、知らず知らずに眉間に皺を寄せて考えていると


「まぁ…ミヤ様とコトネが居る限り、ランバルトも国王両陛下も無理強いはしないだろうけどね。」


そんな事をすればどうなるか……ランバルト自身が一番よく解っている筈だから──と言う事は、エディオルは言葉にはせず呑み込んだ。


「そう…ですね。ミヤさんが居る限りは大丈夫ですね。勿論、ヴィー本人がリオン様を選んだら、私も反対はしませんよ?」


「──くっ…ヴィーが選んだら…その時は俺も……いや、まだまだ早過ぎるだろう!!」


「ふふっ。ディ、それ…ただ単に娘を嫁に出したくない─だけだよね?」


「当たり前だろう?」


「ヴィーが選んだら…選んだ時は、ちゃんと送り出して下さいね?ふふっ。」


ー少し拗ねた?ディは可愛いなぁー






なんてフワフワ笑っていた自分を殴ってやりたいです。





「コトネ、余裕で笑っているな?俺は…傷付いたのに。」


「ふぁいっ!?」


私の耳元で静かに囁きニヤリと笑った─次の瞬間、お姫様抱っこされて、そのまま夫婦の部屋へと運ばれた。

子達を出産した後は、抱き潰されると言う事は無かったけど…。



「手加減できるかどうかは…分からないからな。」



と言われたのが最後。

久し振りに、最後の記憶が……





ーあ、窓の外…少し明るくないかなぁ?ー





だった。






翌日がどうなったかは……ご想像にお任せします。


ミヤさんがチクリとディに言ってくれたけど、ディはニコリと笑っただけだった──とだけ、言っておきます。


ー恥ずか死ねるよね!?ー







兎に角、聖女様達に巻き込まれただけのモブだと思っていた私─

それが、元の世界に還れなかった規格外(チート)な魔法使いになり──

実は、この世界の血を引き継いでいるモブで、私はこの世界で好きな人と結婚して愛しい子供が2人生まれた─




「「お母様!」」



今日も裏庭へと行くと、ネージュとネロと一緒に居るセロとヴィーが笑顔で私の方へと駆け寄って来る。二人を抱きとめて話をしていると


「ここに居たのか─」


「「お父様!」」


フワリと微笑むディが、ノアと一緒に帰って来た。


「ただいま─」


そう言いながら、ディは私の頬にキスをした後、セロとヴィーを抱きしめた。

ノアも、ネージュとネロにキスをする。



ー幸せだなぁー




これからも、この幸せが続きますように──


それだけが、私の願いだ─









リオン王子とヴィーがどうなったか?──は、また別の話である。









❋これにて、【モブ】シリーズは完結となります。最後迄読んでいただき、ありがとうございました❋

☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ