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氷の騎士は、還れなかったモブのリスを何度でも手中に落とす  作者: みん


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警告?

「今日も異常無し─と。」


あの異変があった日以降、2~3日置きにパルヴァンの森の確認をしている。


フェンリルのネージュでさえ、見えなくて分からなかったモノが、どうして私にだけ見えたのか─


「魔法使い…だからかなぁ?なら、リュウが居たら、リュウも…見えたのかなぁ?」


目の前にある大樹に視線を向ける。

今日も特に問題は無かったから、今ではその大樹の根元でネージュとネロが昼寝をしている。


起こさないように、軽くネージュとネロをヨシヨシと撫でた後、ソッと大樹に手をあてる。







───気を付けて───────



「え?」


何かが聞こえた後、頭の中に一気に何かの映像が流れ込んで来た。


「───っ!?」







『何をしている!?殺すなと言っただろう!!』


その騎士のような服を着た男性が、色違いの騎士のような服を着た男性の胸ぐらを掴んで怒っている。

その2人の映像も、少し霞んでいる。それから生い茂った木々の葉が映る。


そこから暗転して、黒い髪の女の子が一人立っていた。そこへ、白色の犬が近付いて行き、その女の子がその犬を撫でると、その犬は嬉しそうに尻尾をユラユラさせた。


ー私と…ネージュ?ー




───あなたには…悪い事をした───


───我が…レフコースの為に───


───お願い、気を付けて───




最後に、もう一度、最初に現れた男性が映る。やっぱり少し霞んでいて顔がいまいちよく分からない。

分からないけど、その男の人の瞳は──




()()モヤと同じ赤い色をしていた。






「??」


それは、ほんの一瞬の出来事だったようで、今でもネージュとネロがスピスピと昼寝をしている。


『我』と言った。

ネージュの口調は、かつての主─パルヴァンの巫女の口調と同じだと言っていた。


「パルヴァンの…巫女…さま?」


勿論、その問に答えてくれる声は無く、ただただ優しい風が流れて行くだけだった。









「ハル、私もパルヴァンの森に行く事になったわ。」


ミヤさんが勤めている修道院にポーションを卸しに来て、帰ろうとしたところでミヤさんにお茶に誘われ、そこでミヤさんが聖女としてパルヴァンの森を見に行く事になったと聞かされた。


「穢れが出てないって事なんだけど、念の為に浄化をしておこう─って事になったのよ。私も、暫くは大掛かりな浄化はしてなかったから、肩慣らしを兼ねて丁度良いかなと思ってね。」


ーパルヴァンの森の浄化を…肩慣らしって…ミヤさんしか言えないよね?流石はチートな聖女ですねー


「もしかして、魔法使い(わたし)の同行込みですか?」


「そう。護衛としてはパルヴァンの騎士で問題無いけど、魔法使いであるハルと、ネージュの同行をお願いしたいのよ。大丈夫かしら?」


「はい、それは勿論大丈夫です。」


「良かったわ。それじゃあ、また詳しい事はエディオルさんに伝えておくわね。」


「はい。」


ーまた、ミヤさんが浄化をするところが見れるのかぁー


以前、隣国で浄化をするミヤさんを見たけど…本当に圧巻だった。チートな魔法使いの私なんて、ちっぽけな存在に感じる程の圧倒的な存在感。金色に輝くミヤさんは、本当に綺麗だった。きっと、ミヤさんが浄化をすれば、また暫くの間はパルヴァンの森も落ち着くだろう。










『聖女が浄化を?ならば、安心だな。』


「だね。それでね、その時に私とネージュも同行して欲しいって言われたの。ネージュも一緒に行ってくれる?」


『勿論。我も一緒に行く。』


嬉しそうに目を細めて尻尾をフリフリするネージュを、また遠慮無くワシャワシャと撫で回した。











そうして、ミヤさんから話を聞いてから3日後─


「一週間後に、ミヤ様と一緒にパルヴァンの森に行って欲しいそうだ。」


「一週間後ですね。分かりました。」


夕食後、ディの部屋でお茶を飲みながら話を聞いた。


「ハルが魔法使いとして同行するから、今回の事は非公式なものになる。だから、ミヤ様の護衛も王都からではなく、パルヴァンの騎士─おそらく、ティモス殿やゼン殿が付くことになると思う。それで……俺は一緒には行けないんだ…。」


今回の浄化は、危険は無いだろうとは言え、場所が王都から離れた辺境地で行われる為、王太子であるランバルトが同行する事はできない。勿論、その王太子の近衛であるディも。


「心配しなくても大丈夫ですよ。ミヤさんの浄化は問題無く終わるだろうし、パルヴァンの騎士様達も居ますからね。私だって、防御に関してはチートなので!」


と、ディを安心させるように言い切る。


「はぁ───ドヤ顔のコトネが可愛い…。」


と言いながら、私の背中からギュウッと力を入れて抱きしめて来るディの腕を、ペシペシと叩く。


「やっぱり、ディの私に対する可愛いのハードル、低過ぎるからね?」


「コトネ限定だからな?兎に角…何も無いと思うが、十分に気を付けるようにな。」


「分かりました。」


そう言ってニコリと微笑むと、ディもニコリと微笑んで、軽く触れるだけのキスをした。





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