おっさんの激甘生活設計、崩壊する、
おっさんは、途方に暮れていた。
異世界の国アークランドでたてた生活設計予定は、予想もできないほどのこの国の未曾有による増税嵐の2年間のせいあり、やむなく未納税金を納めたため崩壊するハメになったのである。
「…どうしてこうなった?最悪、まる1年、何もせずに大丈夫な計画が・・・・は、は、は、は、……」
思わず甘い考えだったと自重の意味の笑いが溢れる。
「仕方ない、異世界貿易、真剣な考えるか…」
もともとが年金受給さえ始まった年齢である。
異世界のレベルアップによる体力の増強、魔力による僅かばかりの見た目の若返りがあったにしても戸籍の年齢の誤魔化しが出来るわけもない。世間一般のリタイア年齢を迎えているおっさんにろくな就職先があるとは到底考えられなかった。
「ここは、やっぱり砂糖かな?……いや、でも向こうで砂糖大根流行らせたのは俺自信……そんな俺が砂糖を?…、いやいや、背に腹は………高級志向としての精製された砂糖ならば……」
おっさんの考えは、迷走を始める。
もしもその姿、第三者の目に付いたならば、誰もが納得の怪しさ満点の不審中年そのもので間違いない。
財布の中身との相談からの結論は、堂々巡りを繰り返した結果、異世界貿易テンプレである砂糖とあいなった。
「とりあえずは、買い出しからか…」
『カチカチ………カチカチ………』2年ぶりに愛車のキーを回すがまるで反応がない。
『もしかしてまた出費か?いやこれは仕方ないか…流石に2年の放置じゃな………んっ?もしかしなくても2年ってことは車検も……』
「…う〜」
思わずな頭を抱えるおっさんは唸ることしかできなかった。