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ただいまです
スライム遭遇からはや2年。異世界人の特典なのかはわからないが、初老のおっさんでもそれなりにレベルアップする事ができた。
長年の社会人を熟してきたおっさんの義弘。現地人とも上手くコミュニケーションを取る事で、王族貴族な権力者たちとも卒なくやってきたのである。
「はあ、どうするかなぁ。年金手続きしてなかったよなぁ。」
まる2年や異世界生活。当然、元の世界に戻れば浦島太郎さんである。どれだけ詭弁を使うが職場復帰などかなうはずなどありえないと思われた。
僅かばかりの年金が、元の世界に戻ったおっさんの命の綱であることは予想出来た。
「賢者殿。どうしても行ってしまわれらのか?」
「大公様、上手く行けばまた此方に伺います。どうか笑顔で送り出してください。」
「賢者殿、御恩は決して忘れませぬ…どうか達者で…」
「それでは、大公様、皆様、お元気で、『転移』」
眩い光に包まれた義弘。
そんな光は、やがてゆっくりと輝きをうしなう。
「行ってしまわれたか……」