心揺さぶる風
心揺さぶるあの風は
今日も愛の言葉を響かせる
心揺さぶるあの風は
明日もまた愛の言葉を紡ぐだろう
あたたかな毛布のように包むように
いたずらな季節の風のせいにして
飽きることなく くるくる回る風見鶏
魂を震わせて昇る朝霧
窓を開けバルコニーヘ出た瞬間の
星月のきらめきに羽を持つように
今日も愛の言葉を聞くだろう
明日もまた愛の言葉を待つだろう
黄昏時には足を止め
夕日に気持ちを溶かすだろう
あなたの言葉の持つ熱が確かに灯る心の芯
潮騒に散らせてみてもそれでもなお消えないで確かに灯る灯火に
なすすべもない心のありさま
太陽に背を向け白く透き通った月に涙を落とす
月の波紋が絶え間なく打ち寄せる波に宿る
心揺さぶるあの風は
今日も愛の言葉を響かせる
心揺さぶるあの風は
明日もまた愛の言葉を紡ぐだろう
それは祈りにも似て美しく胸に残るのだ
だから私は そっと月が訪れて夕日が海に溶ける頃
波の音をずっと聞いていたいと
今日も明日もまた浜辺のベンチに座るのだろう