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第八話【剣豪とタブレット端末】

 ムサシを引き連れ、自室へやってきた。

「どうぞ」

「お邪魔する」

 六畳の和室をDIYにて洋室化した自室だ。高校生の部屋としては、結構なクオリティだと自負している。

「あ、そこ座って」

 粗大ゴミとして捨てられていた二脚のシングルソファを修理して、リプロダクトした自慢の家具。DIYは俺の趣味である。

 ムサシは部屋の中を見渡すも、一切動じず至って普通だ。ま、俺は基本的にミニマリストであるがゆえ、部屋に置かれているのは、中央のソファ二脚とテーブル、そして、勉強机とベッドしかないから、驚く事もないだろうけど。

「さてと……」

 俺もソファに腰掛け、ムサシと対面となった。う~ん、初めて自室に招き入れた女の子が、世界一有名な剣豪が女体化した女子とは、ある意味、世界一贅沢な事をしているのかも知れない。

 しかし、チョコンとソファに座るその姿は、フィギュアと見間違う程愛くるしい。身長140センチ台の女の子に、ちょっと危険なモノを感じてしまう。特殊中の特殊なケースとは言え、身元不明の少女を家に連れて来ちゃったんだ。多少の背徳感は否めない。

「これが拓海殿の部屋でござるか。風情がありますな」

 風情? そんなもんあるか? 今ここにあるのは俺の煩悩だけだよ! って、いかんいかん。本来の目的を見失ってしまう所だった。

「実はさ、本よりももっと便利なモノがあるんだ」

「書物よりもでござるか?」

 テーブルの中央に置いてあるモノを手に取り見せた。

「これはタブレット端末といって、色々な情報を知る事が出来るんだ」

「こんな四角の板が?」

「うん、とりあえず操作方法を教えるからさ」

 タッチ、フリック、スワイプ動作と、検索エンジンの使用方法をレクチャーした。

「なるほど。操作手順は心得たでござる」

「これなら短期間で歴史の事が解るし、飽きたらゲームとかも出来るからさ」

 ムサシは感慨深い表情でタブレット端末を見つめた。

「四百年……四百年後の日本は、まるでお伽噺。拙者はとても貴重な経験をしているのですな」

 部屋をノックして母さんが入室してきた。

「あらあら、どこへ行ったのかと思ったら、拓海くん意外と手が早いのね。ウフフフ」

「いやいや、タブレットの使い方を教えてただけだよ」  

 息子の情事が気になるのだろうか? うん、そんな母さんも可愛いよ。

「じゃあ、部屋にタブレット持っていっていいからさ」

「かたじけない。学ばせて頂く」

 ムサシは母さんの案内で隣の部屋へ移動していった。

ムサシちゃん@天下無双娘は平日は朝7時、土日はお昼の12時に更新します。

よろしくお願いします。

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