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第二十話【SNS】

「こんな可愛い娘が来ると知っていれば、もっとめかし込んで来たものを。デヘヘヘ、お嬢ちゃん、お名前なんてーのかな? ワシは権八郎、ゴン爺って呼んでね。デヘヘヘへ」

 おいおい、じじいよ、喋り方キモいぞ。ってゆーか、ちょっと危ない人になってるし。

「あたし? あたしはムサシ。よろしくね!」

「ほほぉ~、ムサシとな。それはそれは勇ましいハンドルネームじゃのぉ。じゃあ、ワシはムサシたんと呼ぼうかの。デヘヘヘへ」

 他の門下生達も普段の倍以上、鼻の下が伸びているが、じいちゃんはもはや異相。柳生新陰流師範代の欠片も無い。

「ん~可愛いのぉ。本当に可愛いのぉ。今日は一日体験稽古かの? ならばこのワシ、ゴン爺が手取り足取り――」

「じいちゃん。違う違う、道場破りだって」

「うんうん。よしよし」

 ……聞いちゃいねぇ。  

 場の雰囲気が、ムサシの可愛さ同様のピンクな雰囲気に変わりかけたその時だった。「こんにちわ~初めましてぇ。6、4、3、ムサシちゃんでぇ~す」

 突然、ムサシがスマホを取り出し、自撮りを始めた。

「……は?」

 何だ? 一体何をしてるんだコイツ。

「さて、本日は【天下無双チャンネル】記念すべき第一回という事で、都内にある柳生新陰流の道場へやって来ましたぁ~♪」

 は? は? は? 何コレ。

 天下無双チャンネル?

 俺の脳が大いなる疑問に支配されたその時、ムサシは自撮りを一旦止めて、「オープニングはこんな感じかな。ハイ、たっくん」と、俺にスマホを手渡してきた。

「え? ちょ……何だよコレ?」 

「ここから試合パートだから、たっくん撮影してね」

「撮影? いや、撮影って何の?」

「SNSだよぉ。ミーチューブにアップする動画を今から撮るの」

「ミー…チューブ?」

「うん。あたしね、この時代で、SNSで天下無双になるって決めたの」

「え……えええぇぇぇぇぇぇぇぇ――――!!」

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