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第十四話【真実に迫ってみる】

 居間に戻った俺は、お茶を一気に飲み干し、心を落ち着かせた。

「あ、焦ったぁ……」

 胸に手を当てた。まだ心拍数は高いままだ。それもそのはず、生まれて初めて生で女の子の全裸を見てしまったのだから。

「ふぅ~…………」

 駄目だ駄目だ。とにかく落ち着け、心を鎮めろ。こういう事こそ平常心、平常心。

 何とか気持ちを落ち着かせると考察に入った。先程、風呂場での彼女のあの態度、全裸を見られたというのに、声一つあげる事なく、いつも通りの対応だった。あれが普通の女の子だったら、「キャアアアアァァァァ!」という定番の叫び声をあげるシチュエーションだ。となると、やはり元男だから、男に裸を見られる事なんて平気だってことか?。

 俺の中で渦巻く、ムサシは本当に宮本武蔵なのか問題。

 しかし、いつまでもこの事に関して、ウダウダ考えるのも性に合わないので意を決した。



@@



「……よし」    

 自室の隣、ムサシの部屋の前で深呼吸してドアをノックした。「あ~い」と言う絶妙に可愛い返事が返ってきた。ドアを開くと、中から甘い女の子の匂いがふんわりと浮いてきた。

「おー、たっくん。なぁに?」

「こんな時間にごめん。実は、聞きたい事があってさ」

「聞きたい事? いーよ。入って」

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