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第十二話 【疑惑】

 その夜、結局ここ数十年に流行したスイーツをたったの一日で制覇してしまったムサシは、ハイテンションのまま風呂場へ向かった。

「ふぅ……」

 流石に今日は甘いものばかり食べ過ぎた。五件目の店で、パンナコッタを食べている最中に、イカの塩辛の幻覚を見るほど、甘々な一日だった。

「当分……いや、この先数年はスイーツいらないかな」 

 居間でごろ寝しながら、スマホで宮本武蔵に関する情報を検索していたら、山ほど出てきた。その中から五輪書に関する情報を閲覧してみた。


【水之巻】『兵法の道において、心の持ちようは、常に心に替る事なかれ』

 

 これは、『日常でも戦いの時でも、心の在り方を変えず、適度の緊張感を持つべき』という事だ。流石は宮本武蔵、確かに出会ってから一度も現代に対してビビったりしてないもんな。

 ん?

 あれ?

 なんか違和感が……待てよ。

 この五輪書は、兵法をまとめた晩年の宮本武蔵が書いたモノ。でも、ここに居るタイムスリップしてきたと仮定するムサシは、佐々木小次郎と対決する前だよな? という事は、現在宮本武蔵は絶賛行方不明中のはず。でも、歴史上に変化は無し。じゃあ、五輪書は一体誰が書いたんだ? 

 疑問の答えは呆気なく出た。

「ハハ……ハハハ。そうだよ、そうだよな。大体、タイムスリップしてきた上に女体化

するだなんて、そんな事ありえる訳無いじゃないか。あの子はやっぱり宮本武蔵じゃないんだ……」

「拓海くん」

 いつの間にか母さんが横に座っていた。

「え? な、何?」

「ごめんね、くつろいでいる所。私、今から道場におむすびの差し入れに行くんだけど、お風呂場にムサシちゃんのバスタオルを用意するの忘れちゃって、拓海くんコレ、置いてきてもらえる?」

「あ、うん。全然いいよ」

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