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under 500 Ⅱ

キミは、おにぎれるのか?

おにぎりを食べたことがなかった。


はじめて食べて衝撃を受けた。


にぎるだけで味が変わる。


こんなにも別物になる。


幸せが溢れる。




はじめて日本に来た。


アニメが好きでやって来た。


でも、今はすっかり、おにぎりの虜だ。




それから、どっぷり恋をした。


日本の男性に。


もちろん、おにぎりにも恋をしているのだが。


結婚になった。


とんとんと話は進んだ。




彼の実家を訪れた。


おにぎり屋だった。


父親はおにぎり職人だった。




父親と対面した。


第一声、彼の父にこう言われた。


「キミは、おにぎれるのか?」


「はい」


好きで、自主的に勉強していた。


だから出来た。


実践することとなり、にぎると上手く出来た。


おにぎれる感覚は、サイコーだ。


彼の父が、それを食べたとき、優しい笑顔になった。


はじめての笑顔だった。


おにぎりをにぎったときと、同じくらい、相手の心をにぎることは、嬉しいことだ。

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