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「いっしょに旅に出ないか?」
独楽にあるとき、誘われた。
それは僕にとって魅力ある提案だった。既に僕はまわりの人々からその酒癖の悪さで敬遠され、世の中からの疎外感を感じていた。孤独を感じ、そんな僕を妻が気遣ってくれるのだが、彼女にも暴力をして、大袈裟かも知れないが、もうここで生きていたくないという日々を過ごしていた。この苦しみから解放されて、アルコールを浴びるほどに飲める。全部忘れて、独楽と馬鹿になって夜の街に消えて、死んでいける。断る理由は無かった。
家に戻り、酔ったまま旅支度をしていると、妻が泣きながら何処に行くのか、他に女ができたのかと尋ねるので、また殴った。