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Please buy me  作者: 瞳志
3/5

人間市場 考察

飲食店の店内は木製の椅子とテーブルがあり、ほかに客はいない。男性は私達にテーブルにつくよう言った。そして、店の奥へ入る。

「ここはね、人間市場なの。まぁ、魚市場の人間バージョンって考えればいいわ。ここでは、当然のように人肉が食べれる。ここもメニューのほとんどは人肉よ」

間島さんが、淡々と説明する。まるで、人肉を食べることはごく普通に話す。

「あの人、大丈夫なの?」

間島さんは少し困った顔だ。

「まったく、彼は狂ってる。ねぇ?ビス」

ビスと呼ばれたのはさっきの男性だった。ビスは間島さんの分だけ紅茶を持ってきた。当然だ。私は奴隷なのだから。

「本人の前でそう言うか。その通り!俺は狂ってる。人肉はうまいからな!」

間島さんは紅茶を口に運ぶ。そして、一口飲むと顔をしかめた。そして私に渡す。

「飲みたかったら飲んで」

私も紅茶をすする。飲めなくはないが、確実に変なものが入っている。

「私はね、ビス。人肉というビジネスを始めようと思うの」

私は紅茶を吐きそうになった。

「へぇ?」

ビスは楽しそうだ。

「ここ何年間で奴隷取引は禁止になった。もちろん、今まで黙認されていた人肉も。そして、この国で人肉食べれるのはここしかない。ましてや奴隷取引より人肉のほうがリスクが高く誰もやらない。このビジネスを始めれば私の独壇場となる」

間島さんはビスに顔を近づける。

「だから協力してほしいのか」

クハハハと彼は笑った。

「もちろん!人肉の素晴らしいさを伝えるチャンスじゃないか!」

ビスはすごく楽しそうだ。

「それじゃあそういうことでいいかしら?」

「あぁ!これ、お礼に持っていけ」

間島さんに紅茶の茶葉を渡した。

「ん?さっきの?」

「この国のお偉いさんが大好きなんだ。もし何かあったらそれを渡せ」

間島さんは中身を見てふぅん?とだけ言って店を出た。私もついて行こうとした。だが、ビスに腕を捕まれた。

「な、何するんですか?!」

私は焦った。どうしよう……ビスは私の耳元にそっと囁いた。

「お前は昔俺がさばいた女の匂いがする。血縁者かもな」

ゾッとした。だが、ビスは笑って。

「なーんてな、ジョーダンだよ。またおいでよ、次はお客でも商品でも」

私はホッとして店を出た。

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