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黒猫のタンゴ?  作者: うお
1/3

どうしてこうなったし、

響子



 夜の二時、私は隣に気配を感じた。僕の寝ているベッドの隣に、絶対誰かがいる気がする。ていうか、確実にいるよこれ。だって、スースー鼻息聞こえるし。僕は、目を開けるのが怖かった。そりゃそうでしょ。お化けだったらどうすんのさ、泥棒だったらどうすんのさ。でも目を開けないことには、この鼻息の正体がわかんないし。ええい!迷ってられん。そう思って僕は、恐る恐る目を開けるとさすがにびっくりした。そこには、かわいい寝顔をした私と同じ歳くらいの男の子が寝ていた。ていうか顔近いから。この人はどこから入ってきたんだろう、どうして僕の隣で寝ているんだろう。


「…かわいい。」


結構かわいい顔してる。なんかすごいドキドキする。男の子と寝たことなんかないし、なんかかわいいしどうしよう。きっとこの人が起きたら、あんなことになってこんなことして…と妄想してしまう。しまった、いつもの癖で。すると、男の子の目がゆっくり開いた。そして、私は男を外見でみてはならないことを思い知らされたのです。


「なんでここで寝て…」

プ二ッ

「乳ちっけぇ。」

ゴッ


一発ビンタ(正確には:魔人拳)をカマシテやったはずがいつの間にか僕は、眠ってしまっていた。…あれ、朝か。夢だったのかな、ベットに男の子はいないし。さっきのはいったい?


僕の名前は、響子。十九歳。某女子大に通ってます。ちなみに響子というのは、お父さんがとあるマンガの管理人さんから名付けたらしい。響子という名に似合わず、自分のことを僕と言ってしまいます。注意:響子はもちろん女の子です。お母さんにもよく僕っ娘はやめなさいって言われます。結婚するまで猫かぶってろ、だってさ。前日、僕は一匹の黒い猫を拾ったのです。僕の家は、ペットとかダメな家で小さい頃から猫か犬が飼いたかったのですがずっと飼えずじまい、つい出来心でまだ小さなこの黒い子猫を拉致してしまったわけです。


「た…だいまー…よし、誰もいないな。」

「ニャー」


お父さんは僕が小さいころに離婚していないし、お母さんは仕事で遅くまで帰ってこない。そう、僕は内緒で猫を飼うことにしたのです。誰もが一度は考えますよね。


「…計画どうり。よし、早めにこの子をお風呂できれいにしなくちゃ。」

シャアアア

「んぎゃあああああああああああああああ!」

「…ん?何の声だ?まあいいか。」

「あづいあづいあづい…殺す気かーーー!」


シャワーのときにきずくべきだったのです、何かがおかしいことを。日が暮れて、子供のころから夢だった動物と一緒に寝るということを実現しようと、僕は子猫を抱いて寝たはずだったのですが…。不思議なこともあるもんだ。なんで、僕の隣に男の人が…、


「ねぇ…ねぇってば、ちょっと聞いてるのー、響子ー?」

「あ、ごめん。何の話だっけ?」


昨日の夜のことでぼーっとしてしまった、変な夢ははやく忘れるべきなのかな。いやしかし、リアルな出来の夢だったな。胸触られた感触と胸にグサッと刺さるような発言、まだ頭の中に残ってるし。


「もー、だからみんなで帰りになんか食べに行くんでしょ。行くよね?」

「行きたいけどー、」

「じゃあ講義の後に…」

「僕、今日はやく帰んなくちゃ。」

「なに?彼氏できたの?」

「彼氏なんていないよ。」

「ま、自分のことを僕なんて言う女に男はよってこないか。早く直したほうがいいよ、それ。」

「うるさいなー。」


僕が早く帰るのは、猫と遊びたい一心だからです。そして、猫に“あるもの”をつけてあげたかったからなのです。えへへ、家に帰るのが楽しみですなー。そして、家に帰って僕の部屋の扉を勢いよくあけるとそこには部屋の真ん中にご主人様の帰りを待ち、ぽつんと座る黒い子猫。まあなんてかわいい猫なのかしら。そして僕は、勉強机の中からその“あるもの”を取出して小猫にそれを見せた。


「どお、かわいいでしょ?これぴったりだと思うの。」


話しかけても猫に判るはずもないんだけどな。僕は、真っ赤なリボンを小猫の首につけてあげた。我ながら、いいセンスしてると思うね。あーかわいいなー、もう君が彼氏でいいくらいだよー。そして、抱きしめてすりすりしてあげちゃう。


「ニャーン」

「うん、すごく似合ってる。ちょっと待ってて今ごはん持ってくるから。」


そして僕は、キッチンからツナを持って部屋に入って僕は言葉を失うことになる。なんとそこには、昨日の男の子がいて、黒いスーツを着ていて、しかも赤いリボンを首につけていて、ていうかあれ僕が黒猫につけたリボンだと思うんですがということはまさか…いや、そんなはずは。


「ちょっ、おま…誰だお前えええええええええええ!」












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