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野球拳

 彼女は野球拳が好きだ。

 なぜなら僕の羞恥な姿を見たいらしいから。もちろん野球拳が好きだということはじゃんけんも強い。なんでと思うくらいに強いのだ。

「誰にもでも勝てるというわけじゃないわ」

 そういって彼女は僕の着ているものを剥がしてゆく。

 ある日僕は野球拳で一回だけ彼女に勝った。僕は喜んで上着を脱がす。

「分かった?」

「何が?」

「私が何故貴方に勝てる理由」

 僕ははっとしてすぐに顔を赤くし言った。

「参りました」

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