２００文字の彼女達

冬

待ち合わせ

　残業につかまり、僕は帰ることができなかった。

　今日は彼女の誕生日で一緒に買い物に出かけようと思っていたのにと思ってもどうしようもないことで、僕は、カタカタと鳴るキーボードの打鍵音に哀愁を感じつつ仕事に励んだ。

　仕事が終わり、僕は急いで待ち合わせへと向かう。四時間も遅刻だ。

　会いたい気持ちが不思議と足は前へと早くする。

　彼女が待つ場所…もう家に帰っているかも。

「おかえり」

　そんな僕を彼女は笑顔で迎えてくれた。