ルカーシュ=クライネ
「ルカーシュ様いい加減婚約者を決めてください!」
執務室で仕事をしていると側仕えのカイが怒りながら言ってきた。毎日同じ小言ばかりで嫌になる。僕にはずっと決めていることがある。
「あの子以外とは結婚しないよ。」
僕はカイに伝える。何年もやってるやり取りだ。
「わかってますよ!昔からそれを譲らないのはわかってますけど、貴方はこの国の王太子なんですよ。会ったこともない夢の子と結婚するって、そんなおとぎ話みたいな事言ってられないんです!」
カイは全く聞き入れてくれない。
「諦めてよ。」
僕は昔から可愛い女の子の夢を見る。愛しくて大好きであの子以外いらないんだ。
「はぁー…じゃその子はどこにいるんですか?!あと数年で貴方は結婚しないとダメなんですよ!」
カイの言い分もわかる。しかしどこにいるかもどんな姿かもわからない。僕だって早く会えるなら会いたいよ。
「んー…困ったね。占いでもしてみる?」
僕が笑いながら言うとカイは呆気にとられたような顔をする。占いで会えるなら苦労はしない。
「…しましょう。」
「するの?」
怒られると思ったのに肯定され驚く。
「もうこっちは藁にもすがる思いなんですよ!占い師呼んできます」
そう言ってカイは部屋から退室していった。
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「東の方向にいます。」
カイが連れてきた占い師はガラガラとカラフルな石を混ぜながら言う。
「東にいるの?東?隣国かな?」
占い師の答えを聞き、僕はカイに問いかける。
「とりあえず隣国ですかね。従弟もいることなので手配をして明日から行ってきます。」
カイが隣国に行くと言いだした。
「え?行くの?カイが?私が行くよ?もし居てもわからないでしょ。」
焦って問いかける。どんな子かもわからないのに、カイが行って意味があるのだろうか。
「貴方はそんな気軽に行ける立場じゃないでしょ!どんなに探してもこの国にはいないんだから違う場所を探さないと!早く結婚してもらわないと困るんです!」
王太子の僕が国王になるには婚姻していることが必要不可欠だ。昔から婚約者を決めない僕に対して、国の皆がもう誰でもいいから早く結婚してくれ状態になっている。
「じゃお願いします。」
隣国で見つからないなら、さらに東に行ってもらう必要が出てくる。それは悪いので早く見つかるといいなーくらいの気持ちで見送った。
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「…いました。」
「え?」
カイが隣国に行った初日。定期報告のために連絡をとると驚く事を呟く。
「昔から誰かの夢を見るそうです。ルカーシュ様から聞いていた話とよく似てます。」
え?もういたの?早くない?と思いながら話を聞く。
「私の紫色の目を見て気になると。従弟に確認したところ婚約者はいないようです。」
「その子何色?」
誰にも言ってなかったあの子の色を聞く。
「…水色ですが」
「今から行く。」
あの子だ!そう思った僕は動き出した。
「ちょっと!そんなすぐには無理でしょ!ちょ!ルカーシュ様!?」
すぐさまカイからの連絡を切り、僕は周りに隣国に行く指示を出した。あの子に会える。会いたくて会いたくてはやる気持ちが抑えられない。
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遠くから彼女を見る。確信した。あの子だ。
「私と結婚してください。」
傅いて求婚する。
僕は君を絶対離さない。
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