五話 ターニングポイント
引きこもり(ひきこもり、英: hikikomori, social withdrawal、引き籠もり)は、仕事や学校に行けず家に籠り、家族以外と交流がない(社会関係資本を持たない)状況またはそうした生活をしている人を指す。
wiki参照
俺は3ヶ月前から引きこもりというものになってしまった。
[3ヶ月前]
5月8日10 : 00 晴れ
起き上がる。
あぁ、うぅ。家族がご飯を食べ終わりひと段落してから俺は下の階へと降りる。
本当はいつも7時から起きているというのに無駄な時間をスマホとともに過ごす。
手を洗い顔を濡らす。腹に飯は入らない、食べてはいけないという強迫感にかられるから。水だけ飲み自分の部屋に戻る。
夕飯になると強迫感以上に腹が空いてしまうのでご飯を食べに行く。親は、「学校はどうするんだ」「いったいいつまで休んでいるつもりだ」と毎回言う。わかってる、わかってる。常套句。
おかしくなりそう。頭ががんがんする
焦燥、後悔、言い訳が迫る。早く学校に行けるようにしなきゃ。あぁ早く学校いけてたら今頃は。でも仕方ないじゃないか鬱なんだ許してくれ。
学校に行かなきゃ、でも次行ったら俺は絶対に自殺する、未来のために学校に、自分のために休みに
どちらを選ぶ?どちらがいい?どうしたらいい?
死にたくない死にたくない死にたくない
諦めたくない諦めたくない諦めたくない
でもでもでもでも
時間がない足りない今の俺には時間が必要、選択する時間が。
ぷつん
目の前が暗くなった。頭が霞んだようなそんなぼんやりとした状態。
7 : 00
今現在
13410回目
そこから俺は、ぼんやりとした状態が一生続いていた。繰り返し繰り返しやがて自分にかかっていた霞が急に消え思考ができるようになっていた。ぼーっとしていた脳は動き始め、俺は脱出しようとしている。
今までどっちつかずだった俺が。
なんで今更になって
たぶん、いまだに俺は迷っている。窓から脱出しようとして灰にされたのがきっと証拠なんだろうと思う。
家も虫も普通で俺がおかしかったんだ。
俺以外人が見当たらなかったのは人と会いたくなかったからで。7 : 40分で繰り返すのは、自転車で学校に行ける遅刻しない範囲の時間だから。
考えてみればわかる簡単なこと。
そして、ここからの脱出はたぶん家の玄関から出ること。
思考、思考、思考、思考、思考、思考、思考、思考
脱出してからのこと、将来のこと、諦めること
うん、決めた
玄関のドアを開ける
暖かい優しい感じの風を感じる。たぶん大丈夫、たぶんでいい、それでいい。
「やぁ思ったよりも早い帰還だったな少年。まだ1ヶ月も経ってないぞ?」
「あぁ、そうだそうだ。私はこういうものです」
名刺
共倒 雪衣
神理探偵